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2006年12月14日 (木)

[映] ヒトラー~最期の12日間~

 文字通り、ヒトラー最期の12日間の物語だ。彼の秘書であった、トラウドゥル・ユンゲという女性が、自らの体験をつづったものらしい。

 1942年、トラウドゥルは、ヒトラーの個人秘書に採用される。そして1945年、ドイツ軍は連合軍に追いつめられ、苦境に立たされる。ヒトラーは、愛人のエヴァ・ブラウンや、腹心の部下、その家族らと共に、首相官邸の地下要塞にこもる。ドイツ軍に勝ち目がないにもかかわらず、まだ反撃の作戦を練り続けるヒトラーだったが、ドイツ崩壊を確信した部下たちは、少しずつ離れていく…

 まず、ヒトラー役のブルーノ・ガンツが、あまりにも似ていて怖い。どうやら、彼は二面性を持った人物だったらしい。ナチズムの理想を掲げ、世界統一を夢見る冷酷非道な男。国民のことを本当に考えているとはとても思えない。勝ち目がないとわかったら、街を焼き払えと命令した男だ。(敵にとって、価値のない物にしてしまうため) だがその一方で、秘書トラウドゥルや、エヴァ、ゲッベルス夫人に対して見せるような、心優しい一面も持っている。それは単に、自分に対して従順な者に対してだけ見せる、偽りの優しさかもしれないが。

 腹心の部下たちにも、いろいろな人物がいる。本当に心底彼を支持している人物、疑問を持ちつつも、逆らえない人物。前者は洗脳されているとしか思えない。ナチズム崩壊を悟って、自らの手で子供たちを毒殺し、自身も自殺を選んだゲッベルス夫妻。彼らの心情を、どうしても理解することができない。

 要塞内部の様子を描くと共に、街の様子も描かれている。敗戦が近いのも知らず、正しいと信じて戦う子供たち。だが、ヒトラーは、彼らのことなど死のうが生きようが、気にかけていない。周りの仲間がみんな殺されてしまい、やっと我に返って家に逃げ帰る少年。失ったものは大きい。

 トラウドゥルは、この戦争を生き延びた。だが、崩壊の危機にあってもなお、ヒトラーのそばを離れようとしなかった。彼が自殺した後、要塞を離れて逃げたらしい。脱出のチャンスは何度もあったのに、なぜそこまで彼に尽くしたのか。何がそこまで彼女をそうさせたのか。それがどうしても理解できない。

 とても重い映画だ。ヒトラーという人物の最期を知る上で、とても興味深い作品と言えよう。見るからには、じっくり腰を据えて見てほしい。

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