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2007年3月 3日 (土)

[映] 綴り字のシーズン

 静かな雰囲気の映画だ。ある家族の物語。リチャード・ギア、ジュリエット・ビノシュ主演だが、お話の中心は娘イライザだ。

 宗教学者のソール。優等生の息子アーロンとは、神について語り合い、共に音楽を楽しむ。そんな兄に憧れるが、自分は父に興味を持ってもらえないと感じる少女イライザ。だが彼女がスペリング大会で優勝したことで、父の興味はイライザに向けられる。その日から父の特訓が始まり、イライザは彼の期待に応える。そして、ついに全国大会に出場することになるが…

 イライザの成功とは裏腹に、家族は崩壊していく。優等生の息子は、父に反発するように、いつしかヒンドゥー教にのめり込む。妻は、幼い頃の事件から立ち直れず、トラウマを抱え、ついに入院。そして、その原因は全て自分にあると思いこむイライザ。

 あまり表情を出さない少女である。11才ということなので、もっとはしゃいでいい年頃だ。彼女のスペリングの能力は並はずれているし、一種独特だ。単純に覚えているのではなく、知らない単語でもわかってしまうらしい。彼女が綴りを繰り出す時のシーンが、とても神秘的。その神秘性に、特別なものを感じた父親は、彼女の特訓に、まさに夢中になってしまう。

 この父ちゃんは、どうもそういう気があるあるらしい。ユダヤ教徒で、宗教学者である彼は、言葉の神秘性を研究し、神に近づきたいと願っている。自分の考えが全てだと信じている。当然のように、それを妻や息子にも押しつけてきた。それが、スペリング大会での優勝をきっかけに、一気に娘に向いてしまった。そして、妻と息子は反動がきて… ということらしい。

 そのままだと、ただの家庭崩壊の映画なのだが、最後に一ひねり? イライザは、とても純真なのだけれど、精神的に大人でもある。そんなところを見せてくれるのだ。キーワードが「オリガミ」というのもおもしろい。

 全体的に、少々不思議な感じのする映画だ。細かいところもよくわからない。妻にどんなことがあったのか。息子はなぜヒンドゥー教なのか。だいたい、スペリング大会ってのも、よくわからない。日本で言ったら、漢字の書き取りみたいなもんだと思うのだが、大会にしてしまうところがすごい。子供にもわかりにくい映画だと思う。けれど、見終わった後、不思議な余韻が残る。明るい内容ではないのに、余韻は暗くない。しっとりとした雰囲気に浸りたいときにどうぞ。

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