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2007年3月 3日 (土)

[映] クラッシュ

 去年のアカデミー賞で、かなり話題になった映画。とても気になっていた作品だ。人種のるつぼLAを舞台にした、差別や偏見、そして様々な衝突を描いた作品だ。

 二人組の刑事が乗った車が、アジア系の女性の車に追突される。両者は大げんかに。白人の検事夫妻は、黒人二人組に襲われ、車を奪われる。それ以来、妻は情緒不安定になり、人種差別発言を繰り返す。
 人種差別主義者の警官ライアンは、車に乗っている黒人プロデューサー夫妻に職務質問するが、その際、妻の体を不当に触る。そのことで、夫婦仲が険悪に。数日後、妻は車で事故に遭い、救助にきたのが、なんとライアンで、パニック状態になる…

 物語は同時進行的で、複雑に絡み合っている。人種差別主義のライアンだが、そうなったのには理由がある。差別主義ではあるが、警官としては優秀だ。自分の身の危険も省みず、女性を救助する。
 一方、ライアンの相棒だった新人警官は、あまりの差別発言に嫌気がさし、相棒を変えて欲しいと上司に直訴する。そして冒頭の黒人プロデューサーの暴走を救う。だが、差別を嫌っているハズの彼が、最後に重大な罪を犯してしまう。 

 車を奪った二人組の片方は、刑事の弟だ。もう片方は、かなりのワルだが、自分よりもっとつらい境遇の人々を見つけてしまい、ちょっとした良心が芽生える。
 ペルシャ系の店主は、何度も店を襲われ、我を失って鍵の修理屋を恨んで復讐に行く。ヒスパニック系の鍵修理人は、マジメに生きている男だ。彼が店主に撃たれるシーンは、とても印象的。透明マントの魔法。

 様々な立場、様々な人種の人々が描かれる。それだけに、キャストもかなり豪華だ。なにより、脚本がすばらしい。複雑なストーリーが、うまく絡み合っている。まさに絶妙だ。だが、複雑なだけに、しっかりと見ていないと、このおもしろさはわからない。

 差別はどうしてうまれるのか。みんなが、ちょっとした思いやりを持てば、うまくいきそうなのに。とてもつらい内容だが、最後には少し希望が残る。なにより、人種差別主義者のライアンが女性を救出するシーンは感動的だ。なんだかんだ言っても、何かあったときには力を合わせて乗り切れる、そんな気がした。

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