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2007年6月24日 (日)

[映] ディパーテッド

 今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞の4部門を受賞した、話題作だ。大好きなマフィアものということもあり、とても期待していたのだが… 想像していたマフィアものとは少々様子が違った。だが、見応えは十分な映画だ。

 ボストン南部。貧しいが、聡明だった少年コリンは、アイリッシュマフィアのボス、コステロに目をかけられて育つ。やがて彼は、警察学校を優秀な成績で卒業。コステロの内通者として警察内で働くことに。同じ頃、同じく警察学校を優秀な成績で卒業したビリーは、身内に犯罪者が多いということで、マフィアへの潜入捜査を命じられる…

 警察で、マフィア取り締まりにあたるコリンはマフィアの内通者(ネズミ)、そしてマフィアで働くビリーは警察の内通者だ。全く逆の立場の二人が、身近にいながら面識は無い。そしてお互いを捜すことになる。それぞれ微妙な立場だ。二人に共通するのは、警察官であるということと、マフィアのボス、コステロだ。

 このコステロ役ジャック・ニコルソン、映画の要である。なのだが、(アイリッシュ・マフィアには詳しくないが)、どうも彼はマフィアっぽくない。彼 は名優だし、演技は申し分ないと思うが、マフィアの雰囲気がない。その点で、「マフィア映画」と言う私の期待は、少々裏切られた気がするのだ。

 とはいえ、コリン役のマット・デイモンも、ビリー役のディカプリオも、それぞれの雰囲気をうまく出している。後半のさぐり合いも手に汗握る展開だ。最後はやたらとみんな死んでしまって、(だからディパーテッドなんだろうが) なんだかなぁという結末ではあるが、全体としてはとてもおもしろい映画だ。

 アメリカでの評価はかなり高い。だが、これは香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクということで、元作品を見た人の評価はかなり低い。どうやら元作品のすばらしい雰囲気が、この映画には無いらしい。そうと聞いたら、今度はインファナル・アフェアの方を見なくては。

 個人的には、最後までビリーをかばったクイーナン警部役、マーティン・シーンに拍手を送りたい。

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2007年6月18日 (月)

[映] トゥモロー・ワールド

 これ、タイトルもよくわからないが、ストーリーも今ひとつよくわからない。子供が生まれなくなってしまったという近未来のロンドンが舞台だが、何かが起こるのではないかと、最後まで期待させた挙げ句、何もないまま終わってしまう。

 2027年ロンドン。18年間子供が生まれていない。世界中でテロが勃発し、世界は崩壊。唯一機能している(?)イギリスに、世界中から移民が押し寄せる。
 官僚のセオは、ある日、地下組織フィッシュに拉致されてしまう。この組織を率いているのは、なんと元妻ジュリアン。彼らは、セオを利用して、ある行動を起こそうとしていた…

 何がわからないって、まず設定がわからない。子供が生まれなくなってしまう世界というのは、あり得る話だ。だが、世界が崩壊し、イギリスだけが無事で、世界中からイギリスに移民が押し寄せるという設定がどうもいただけない。なぜ崩壊したのか。なんでイギリスだけ無事なのか。無事とはいえ、移民たちは警官によって厳しく取り締まられている。なんで警官がそんな権力を持つのか?? だいたい、なんで子供が生まれなくなってしまったのか? 地球に何が起こったのか? 疑問はつきないが、その辺の解説はいっさい無いのだ。

 拉致されたセオは、彼らの目的を知る。臨月間近の女性を、人類救済組織に送り届けるのだ。この組織もまたよくわからない。最後まで謎のままだ。またこの女性だけなぜ妊娠できたのか。その辺りも謎。

 セオ役がクライヴ・オーウェン、元妻ジュリアン役がジュリアン・ムーア。そしてセオの旧友役がマイケル・ケインなのだが、ジュリアン・ムーアなど、何もいいところが無いまま退場。もうちょっと出番が欲しかった。最後は、ほんの少し希望が残るが、全体として暗いお話だ。個人的には全くおもしろいと思わなかったのだが、ものすごく高く評価している人もいるようで、賛否両論あるらしい。気になる人は、一度見てみるといいかもね。

********************* 2015.10.12 追記  *************************

Children_of_men
 なんと言うことだろう、本日、見たことをすっかり忘れて再視聴。最後のシーンで初めて、見たことがあると気づいた…

 前回見たときよりは好印象。特に、みなが犠牲を払い、必死になって妊婦キーを守るところは見ごたえある。18年ぶりの赤ん坊を見た人たちは、まるで神を見るようなまなざし。確かに赤ちゃんは宝だね。

 でもやっぱり謎は多く、疑問が残る。テロリストは何が目的だったのか。ジュリアンは、キーと赤ちゃんを人権保護団体に送り届けるつもりだったようだが、反乱を起こしたルークは赤ちゃんを独占したかった様子。どうするつもりだったのだろう。

 赤ちゃんが女の子だったと言うのは意味深だ。生殖能力を持っている可能性が高い。他にもキーのような女性がいるかもしれず、もしかしたらどこかで生まれているのかもしれない。いろいろ想像が広がるが、なぜ荒廃しているのかがわからず、やっぱり消化不良…

 

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2007年6月11日 (月)

[映] ポセイドン

 72年の映画、「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクだ。当時でも、逆さまセットなど、かなり手の込んだ作りで、感動したのを覚えている。それを、最新技術でリメイクするのだから、さぞすごいのだろうと意気込んで見たのだが…

 大晦日、航海中の豪華客船ポセイドン号。フロアでは、カウントダウンのパーティが催されていた。ちょうどそのころ、突如として巨大な波が押し寄せ、ポセイドン号は転覆、逆さまになってしまった… 大半の乗客たちが、フロアに残った方が安全と考える中、脱出を試みる一行が、上になってしまった船底を目指す。

 …と、大筋は同じである。逆さになってしまった船から、数人が脱出のために、船底を目指す。数々の困難を乗り越えて上へ向かい、その際それぞれの特技を発揮する。命を落とす者もいる。災害で、命の危険にさらされたとき、とっさにどう行動するか。そういうお話だ。

 今回のリメイクの意味は、おそらく最新技術による映像だろう。確かに手に汗握る映像ではある。だが、それは前作も同じでは??

 登場人物の設定はずいぶんと違うようだ。その点ちょっと物足りなさも感じる。まず設計士。ポセイドン号を設計した人物ということなので、脱出に関して、もう少し役に立つのかと思っていたが、そうでもない。むしろ、リーダー的存在である、ギャンブラーのディランの方が、船の構造にずっと詳しい。
 ディランの存在も少々謎が多い。なんたって一匹狼のギャンブラー。もっと自己中男なのかと思いきや、意外とナイスガイである。その日初めて会った女性のために、命がけで息子探しを手伝う。みんなのために、率先して体を張る。何かワケあってギャンブラーになったのだろうが、その辺は詳しく描かれていない。

 全体としてそういう感じである。登場人物の掘り下げが浅い気がするのだ。映画は決して長くない。その辺をもう少し描いた方が、感情移入できたのではないか?? その辺りが、とても残念な気がする。これでは前作を超えられない。

 出演者には、テレビ勢も多い。密航者の女性役でミア・マエストロ(エイリアスのナディア)、彼女をこっそり連れ込んだウェイター?役にフレディ・ロドリゲス(シックス・フィート・アンダーのフェデリコ)、ギャンブルをしていた男性役でケヴィン・ディロン(マット・ディロンの弟、ザッツ・ライフのポール・デルッカ)、船長役にアンドレ・ブラウアー(ホミサイドのペンブルトン)。

 どうしても前作と比べてしまうのだが、これを初めて見るのなら、それなりに楽しめる作品だ。ただ、その後に、「ポセイドン・アドベンチャー」も是非見て欲しい。

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2007年6月 9日 (土)

[映] ピンクパンサー

 ピーター・セラーズで有名な作品だが、これはスティーブ・マーティンによるリメイク版だ。彼がクルーゾー警部である。ちょっと意外な感じもしたが、なかなか様になっている。リメイク版とは言え、ストーリーはオリジナルのようだ。お馴染みのドレイフェス警視も出てくる。

 フランスで行われたサッカーの国際試合直後、監督が何者かによって殺される。しかも、彼が身につけていたダイヤの指輪、通称ピンクパンサーも盗まれてしまう。そこで、警視ドレイフェスは、手柄を我が物にしようと、自分が真犯人を見つけるまでの間、時間稼ぎとして、ドジな警官に事件を担当させることに。かくして突然警部に昇進したクルーゾーは、真犯人探しを始める…

 かつてのシリーズ、何度か見た(覚えていないが)が、ピーター・セラーズのクルーゾー警部が、どこか冷たい感じのするドジ警部だったのに対し、こちらのクルーゾー、確かにドジではあるが、人間的で温かみのある人物に描かれている気がする。その辺が大きな違いではないだろうか。

 お話としてはドタバタコメディだが、個人的には昔のピンクパンサーシリーズより好きだ。昔のファンには怒られそうだが、今風で、テンポも良く飽きさせな い展開になっている。それに、ドジなクルーゾーは、最後、見事に事件を解決してくれるのだ。笑顔が似合う、優しそうなクルーゾーもなかなかいい。

 出演者もなかなか豪華だ。ドレイフェス警視役がケヴィン・クライン。クルーゾーの助手役にジャン・レノ。冒頭で殺されてしまう監督役は「トランスポーター」のジェイソン・ステイサムだし、彼の恋人で歌手役はビヨンセだ。謎のエージェント006役でクライヴ・オーウェンまで出ている。ビヨンセは歌も聴かせてくれるし、スティーブ・マーティンとジャン・レノの怪しいダンスはかなり笑える。そこだけでも見る価値あり。

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