« [映] ダイハード4.0 | トップページ | [映] もしも昨日が選べたら »

2008年1月 4日 (金)

[映] 世界最速のインディアン

 バイクでスピード世界記録を出したバート・マンロー氏を描いた作品。アンソニー・ホプキンスが初老のマンロー氏を熱演している。ちなみに、インディアンというのはバイクのことで、ネイティブアメリカンのことでも、インド人のことでもない。(勘違いは私だけか)

 60年代、ニュージーランドの小さな街、インバカーギル。スピード好きの初老の男性バート・マンローは、若い頃に出会ったバイク、インディアン・スカウトを改良し続けていた。いつの日か、このインディアンに乗り、ボンヌヴィルで行われる競技会に出場することを夢見て…

 実話を元に、彼が世界記録を出すまでを描いた作品だ。それだけ聞くと、あまりおもしろそうではないが、とても感動的なお話である。ストーリーのすばらしさはもとより、アンソニー・ホプキンス演ずるバートという男性の魅力があふれる物語だ。

 彼は少々変わり者のようだ。人の目を気にしないし、気ままに生きている。庭のレモンの木の根本に毎朝おしっこをする。芝刈りをするよう隣人に言われると、面倒なので火をつけて燃やしてしまう。隣人はそんな彼を少々疎ましく思っているようだが、なかなか愛すべき人物である。実際、仲間もたくさんいて、人気者でもある。隣人の息子とはとても仲がいい。2人の世代を越えた友情は、見ていてほほえましい。

 彼には夢があった。見渡す限り一面の塩平原ボンヌヴィルを駆け抜けたい。スピード世界記録を出したい。いつか行こうと思っている。いつかお金が貯まったら。だが、狭心症の発作を起こし、今年行かねば、来年はもうこの世にいないかもしれないと言う思いがよぎる。今行かねば。そう、人は何かきっかけがないと、その一歩が踏み出せないものだ。

 ボンヌヴィルへの旅は決してラクではなかった。ニュージーランドの片田舎から、船でアメリカへ渡ったものの、物価の違いに驚き、車の多さに驚く。なんとかボンヌヴィルに着いたものの、事前の登録がなければ出場できないことがわかる。だがバートは決して諦めない。地球の反対側から来たのだから、こんなことで帰るわけにはいかない。そして彼の熱意が周りを動かす。

 とある酒場で、イギリス人かと聞かれ、とんでもないと言う顔でニュージーランドから来たんだと自慢げに言うシーンがおもしろい。また、彼が語る人生哲学もおもしろい。

 彼はいつでもマイペースだ。殺伐とした都会で、無愛想になっていた人たちも、彼と関わることで優しい気持ちになる。彼のオープンな人柄が、人の心を開くのだろう。出会ったあらゆる人たちが、彼に温かい手をさしのべる。見ている者を優しい気持ちにする映画だ。そしていくつになっても、夢を持ち続けることの大切さを見せてくれる。

|

« [映] ダイハード4.0 | トップページ | [映] もしも昨日が選べたら »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [映] 世界最速のインディアン:

« [映] ダイハード4.0 | トップページ | [映] もしも昨日が選べたら »