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2008年5月 7日 (水)

[映] 父親たちの星条旗

 「硫黄島からの手紙」との2部作として話題になった映画。こちらが第1弾らしいのだが、第2弾の方を先に見てしまった… しかも、なかなか見る気になれずにいたのだが、「硫黄島~」とは少々雰囲気が違う。単なる戦争回想映画ではなく、硫黄島での戦い、本国のお祭り騒ぎ、そして息子が当時の様子を調べ始めた現在が、交差して描かれると言う構成になっている。さすがイーストウッド監督。

 終戦も近い1945年。硫黄島へ上陸したアメリカ軍は、日本軍の反撃に合い苦戦。そんな中、ちょっとした思いつきで山頂に星条旗を立てた。その時の写真がアメリカ本国で話題になり、その時旗を立てた6人は急遽帰国させられる。すっかり英雄に祭り上げられた彼らだったが…

 報道の影響ってすばらしいと同時に恐ろしい。1枚の写真によって、すっかり人生が変わってしまった彼ら。他の仲間が闘っている時に、国に呼び戻され、戦費調達のための国債キャンペーンに利用されてしまうのだ。日本が貧困にあえいでいる時、アメリカ人はチョコ食ったり肉食ったりしてたって話を聞いたことがあるが、当時彼らも相当資金難だったようだ。(日本の比ではないだろうが)

 しかも、この旗を立てた行為には、ちょっとした経緯がある上に、写真に写っているのが誰かで、少々問題があったようだ。この辺りの出来事を、硫黄島での戦いと、その後の様子とを交互に見せることで、少しずつ事情がわかってくる仕組みだ。

 主役ドク役はライアン・フィリップ。衛生兵である彼は、負傷した仲間の手当をするのが役目なのだが、その一方で、敵(日本兵)に襲われそうになり、相手を殺してしまう。また、味方の誤射で命を落とす仲間たち。なんともやりきれない思いが残る。本当に戦争ってくだらない。

 ドラマで見かける顔も多く(デス妻のビクター・ラングことジョン・スラタリー、ロバート・パトリック、「M.I.緊急医療捜査班」でお馴染みニール・マクドノー、「ボストン・パグリック」のケビン・ライリーことトーマス・マッカーシーなどなど)、全体的に渋めの配役。

 戦場で仲間を失った上に、特に何をしたわけでもないのに英雄に祭り上げられてしまった者のとまどい。息子を失った母親の悲しみ。彼らの気持ちなんかお構いなしに、資金集めのために英雄を作り出し利用する者たちのもくろみ。それを知った家族の想い。実に深い映画だ。

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