« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »

2008年7月27日 (日)

ビートルズ マイナス・ワン

 アマゾンでいろいろ買い物をしていると、いつも買っている物から私の好みを想定してくれるようだ。かなりツボを心得た新商品を、メールで教えてくれる。そしてまた買ってしまう… まさに相手の思うツボなのだろうが、今回も、見事にはまってしまった。ビートルズのカラオケである。

 実は自分でもカラオケを作ったりしているので、ただのカラオケでは、買う気にはならない。どこが違うかと言うと、演奏だけでなく、ボーカルも入っているところ。それじゃカラオケじゃないじゃんと思うかもしれないが、ちゃんとカラオケ。タイトルの通り、メンバーの1人分だけ(あるいは、1人分のボーカルと1人分の演奏)ボーカルが欠けているのだ。この発想は面白い。つまり、一緒に歌えば(演奏すれば)、あなたも気分はビートルズの一員!と言うワケだ。

 さっそく聞いてみた。これははまりそう。ただ残念なのは、やっぱり本物のボーカルとはかなり違うこと。声の似ている人ではあるが、歌い方はちょっと違う。大して違わないじゃんと思うかも知れないが、マニアックなファンからすると、全然違うのだ… それに、たとえばポールになりきりたいだけなのに、他のバージョン(マイナス・ジョンとか、マイナス・ジョージ)まで、もれなくついてくる=CDの枚数が多い割に、曲の種類が少ない、と言う不満もある。

 とはいえ、しばらくは楽しめそうだ。少々高かったが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[ド] ゴースト ~天国からのささやき

 FOXチャンネルで始まった、ジェニファー・ラブ・ヒューイット主演の、ちょっと心温まるドラマだ。FOX lifeで放送していたものが、降りてきたようだ。

 子供の頃、死者の霊が見えることに気づいたメリンダ。新婚生活を始めたばかりの彼女は、死者の霊に悩まされながらも、その能力を使って、使者たちの最後の望みを叶えるべく奔走する…

 シックス・センスや、アリソン・デュボア、トゥルー・コーリングに通じるものがある。霊の声を聞き、彼らのメッセージを遺された者に伝えるなど、彼らの望みを叶えると言うお話らしい。メリンダの能力は、幼い頃からのようだ。お葬式で、亡くなった老人から、未亡人に伝えたいメッセージを託される。自分の結婚式では、夫の亡くなった兄から、励ましのメッセージを伝えるよう頼まれる。身近な人の場合は、なかなか便利な能力かもしれない。

 #1では、戦争で亡くなった兵士の霊役で、プリズン・ブレイクのウェントワース・ミラーが出演。赤の他人の霊が、夜中に突然現れたら、やっぱり怖いだろう。そんな妻のストレスフルな状況をよく理解して、彼女を優しくサポートする夫の存在が大きい。この辺り、アリソン・デュボアと似ている。だが、アリソンは、事件を解決する(あるいは、未然に防ぐ)ために死者の声を聞くのに対し、メリンダの聞く声は、もう少し庶民的。だが、なかなか心温まるお話だ。

 あなたのお父さんの霊と話しました、と言ってもなかなか信じてもらえないだろう。#1でも、息子(ブラザーズ&シスターズのトミーこと、バルサザール・ゲティ)はイカサマ霊能者が、父親をネタに金をせびりに来たと疑う。その辺りは苦労しそうだが、メリンダの熱意が通じる。

 アメリカでは、シーズン3まで放送済みで、今秋からシーズン4を放送予定。楽しみなドラマだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] ルワンダの涙

 たくさんあるルワンダ虐殺ものの1つのようだが、BBC製作で、実際に現場にいた人たちが製作していると言うだけあって、とても興味深い。原題の「Shooting Dogs」と言うのは、映画を見ればわかるのだが、国連治安維持軍に対する皮肉である。

 イギリスの青年ジョーは、ルワンダでクリストファー神父(ジョン・ハート)の運営する公立技術専門学校へ派遣され、英語教師として働いていた。地元の人々とも親しくなり、信頼されていたジョー。ある日、フツ族とツチ族の対立が激しくなったことを知る。ツチ族虐殺が始まり、彼らのいる学校には、国連治安維持軍が駐留していたため、ツチ族の人々が避難してきたのだが…

 ルワンダ虐殺の映画はいくつもあるようだが、本当に怖い話である。同じ国の人々が、殺し合うのだ。それまでのんきに暮らしていたジョーは、フツ族の青年と一緒にドライブしていた際、武装したフツ族の集団に包囲され、ちょっと怖い目に遭う。だが、彼がフツ族だったため、なんなくスルー。その信頼していた青年は、翌日、そのメンバーの一員となってツチ族を虐殺しているのだ。

 この映画のテーマは、もちろんルワンダの虐殺事件なのだが、彼らが特に言いたいのは
国連治安維持軍の、まるで人ごとのような対応についてだ。目の前で人がたくさん虐殺されているのに、命令を受けていないので助けることはできないと言い張る。そのくせ、町にあふれる死体を、犬が食い散らかしているので、犬を撃ち殺すと言う。神父が、「それなら、犬を撃ち殺せという命令は出ているのか?」と怒りをぶつけるシーンが印象的だ。

 やってきたフランス軍は、フランス人だけ脱出させると言う。そして、国連軍は、最後に白人だけ連れて帰ってしまうのだ。学校に残された人々は、フツ族によってナタで惨殺されることとなる。それがわかっていながら、どうすることもできないジョー。目をかけていた生徒マリーのその後の運命が、泣かせる。神父の英断がまた泣かせる。

 残虐なシーンは確かに出てくるが、実際にあった出来事に基づいているもの。中学生以上くらいなら見ておくべきかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月25日 (金)

[映] スピード・レーサー

 マッハGOGOGOの実写版だ。以前、フレンズのチャンドラーがこのTシャツを着ているのを見て、アメリカでも放送されていたことを知った。昔見ていた気はするのだが、ほとんど何も覚えていない。だが、どこか懐かしい。

 幼い頃からレーサーである兄を見て育ったスピード。レース中の事故で兄を失った彼は、自分もレーサーとなり、才能を発揮する。ある日、彼の才能に目をつけたローヤルトンから、スポンサーの申し出を受けた一家。だが、悩んだ末、断ることに。途端に態度が一変したローヤルトンは、スピードのレース出場に対する妨害工作が始まる…

 スピード・レーサーって、主人公の名前だったのね… これには正直ビックリした。ま、それはともかく、映像はかなりギンギラである。レースシーンはCGなので、あまりリアルな感じはない。だが迫力はある。映画館で見ようと思っている方は、是非後ろの方の席に座って欲しい。脚をのばしたいがために一番前で見たら、酔ってしまった。

 ストーリーは、思っていたよりはマトモだ。レースも金儲けの道具という発想は、今時のお話らしい。その辺の裏事情を知ってしまったスピードは、レースから干され、さらに父親まで盗作の疑いをかけられ、どん底に。それでも家族で力を合わせてがんばると言うお話。子供が楽しめそうな内容だ。だが長い。この手のお話、もっと短いと踏んでいただけに、2時間15分というのは異様に長く感じた。

 出演者はなかなか豪華。スピード役はエミール・ハーシュ。彼の母役はスーザン・サランドン、父役はジョン・グッドマン。彼女役がクリスティナ・リッチ。謎のレーサーX役にマシュー・フォックス(今やLOSTでお馴染みだけれど、私の中では「サンフランシスコの空の下」の長男)。真田広之も出てるが、あまりいいところはない。

 見ていて、チンパンジーと少年、若い女の子が、そういえば原作にも出ていたことを思い出した。テーマソングが懐かしい。家族で苦難を乗り切る話という意味では、それなりに面白い。派手なレースシーンは、好きな人には面白いだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] リトル・チルドレン

 派手さはないが、なかなか面白い映画だ。郊外の住宅地の人々を描いた作品。

 郊外の住宅地に引っ越してきたサラ。幼い娘を連れて、公園へ通う毎日。だが、ママさん連中とはどうも合わないと感じていた彼女は、そこで知り合った、主夫ブラッドと親しくなる。子供を口実に、毎日のようにプールで彼と密会することを、密かな楽しみにするようになったサラは、ついに彼と関係を持ってしまい…
 一方、この住宅地に、性犯罪者であったロニーが戻ってきた。過剰に反応する街の人々。さらに元警官ラリーは、ロニーに対して嫌がらせを始めるのだが…

 デス妻に似たような話があったなと思いながら見た。何不自由のない生活をしているハズのサラは、なぜか満たされないようだ。ママ仲間には、うまくなじめない。娘を愛しているのは間違いないが、自分の人生こんなはずじゃなかったと言う思いが、どこかにあるのかもしれない。そんな時に、ブラッドと知り合う。

 ブラッドは、見た目は格好いいが、言ってみればダメ男だ。司法試験に一度落ちている彼は、勉強を口実に、主夫をしているらしい。主夫としての生活はどこか上の空で、やはり何か満たされないものを感じている。かといって、あまりマジメに勉強する気もない。息子は、いつも面倒をみている自分よりも、妻の方になついているのを見て、落ち込んだりする。そんな時にサラと知り合い、妻にない魅力を感じる。

 この二人が惹かれ合うのはわかる気がする。だがうまく行かないのは目に見えている。こっそり会っているうちはいい。お互いのいいところしか見ていないのだから。二人の結末には、それで良かったんだよと思わずつぶやいてしまう。

 サラ(ケイト・ウィンスレット)と、ブラッドの妻キャシー(ジェニファー・コネリー)の対比が面白い。仕事をこなし、美しく、スタイルも維持し続けてい る格好いいキャシーに対し、ちょっと太め、おしゃれにはあまり気を遣わなくなっている主婦サラ。キャシーにはキャシーなりの悩みがある。サラは太めだけど、とってもチャーミングだ。

 もう一つのストーリーとして、性犯罪者の過去を持つロニーが出てくる。この手の話、かなり問題になっているようで、映画やドラマの世界でもよく描かれている。犯罪者であることを公表する義務というのは、本当に難しい。彼は確かに未だ子供への性衝動を抑えられないようで、プールに潜って子供たちを見ていて、警察沙汰になってしまう。そんな息子の将来を心配する母親。普通の母親である。彼らに対し、執拗な嫌がらせをする元警官ラリー。彼自身も、過去に誤って少年を死なせてしまったことがトラウマとなっている。ラリーの嫌がらせはエスカレートし、大変な結果を招いてしまう。この辺り、悲劇的だ。みんな悪気はなかったのに。

 どこの住宅地にも、ありそうでなさそうな話だ。同世代、30~40代には面白い映画だと思う。みんな何か秘密があるのね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月21日 (月)

[映] スパイダーマン3

 シリーズ3作目。前回ちょっとスランプだったピーターも、すっかりヒーロー役が板についてきたところ。ちょっと図にのっているところが笑える。新しい敵や、自分自身も謎の寄生生物に取り付かれたりして、ストーリーもなかなかだ。

 スパイダーマンとしての役割にも慣れ、MJとの仲も順調なピーター。結婚も考え始め、ついにプロポーズを決意するが、ハリーにジャマされてしまう。そのころ、おじを殺害した犯人が脱獄、サンドマンとなって現れる。失意のピーターは、謎の寄生生物に取り付かれ、ブラック・スパイダーマンとなってしまい…

 前回はスランプだったが、今回は調子に乗ってやりすぎと言うことらしい。ヒーローでいるのもなかなか大変そうだ。MJは、女優として挫折。そんなときに、自分のことで頭がいっぱいのピーターは、彼女の気持ちを考える余裕がない。そこをハリーにつけこまれ、寄生生物に取り付かれ… と悪循環が続く。

 今回、記者としてのピーターにライバルが出現するのだが、このエディ役、70’sショーのエリック・フォアマンでお馴染み、トファー・グレイス。調子の良いキャラはそのまんまだ。ズルをして社員の座を手にするのだが、ピーターにあっさり暴かれて彼を恨み、ヴェノムとなる。また、サンドマン役は、ブロークン・トレイルが印象的だった、トーマス・ヘイデン・チャーチ。一見ちょっと悪そうだけれど、なんか憎めないキャラなので、今回の役にもうまくはまっている。

 ピーターは、能力は手に入れたけれども、人間的にはまだ未熟。今回は、謎の寄生生物のせいもあって、ちょっと暴走してしまう。いつもやられっぱなしの優しいピーターが、チョイワル・ピーターになったところはなかなか面白い。また、戦うシーンは相変わらず迫力満点だ。こうやって少しずつヒーローも成長していくんだなと思える作品だ。

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[ド] シックス・フィート・アンダー5 #9、#10

 なんとなく途中でやめられなくて見ていたこのドラマ。ついに最終シーズンとなってしまった。そしてこの#9と#10は、一番ショッキングな内容となった。ネイトの死である。

 今まで、フィッシャー家の人々は、数多くの遺体を扱ってきた。葬儀社なのだから当然なのだが、常に冷静に、淡々と、人々の死、家族の悲しみと向き合ってきた。だが今回ばかりは違う。家族の死である。

 とはいえ、#1でも家長であるナサニエルが死んでいる。このときも、おかしな行動をしていた一家だが、このときとは明らかに違う。当時ルースは浮気していたし、ネイトは一緒に住んでいなかった。デイヴィッドもクレアも、どうも父とそれほど親密ということではなかったようだ。そんなこともあってか、今回ほどの動揺はなかったように思う。

 だが今回は、家族の取り乱し方が違う。ルースは、まさか最愛の息子を失うとは思っていなかった。しかも、死に目に会えなかった。デイヴィッドも、共同経営者として頼っていた兄が、突然いなくなるなんて。年もそれほど違うワケではなく、以前襲われた事もあり、自分の死を意識してパニックになる。クレアもおかしい。年は離れているものの、唯一家族で話の合う相手だった。
 ブレンダの動揺は当然だろう。夫を突然失った。だが、夫婦仲がうまくいっていない時だったこと、他の女性と寝た直後だったこと、自分と血のつながりのない娘を残され、さらに臨月間近である。これからどう乗り越えて行くのだろう。

 #10で、デイヴィッドはネイトの遺体を綺麗にするのだが、ネイトは献体に同意していたらしい。今までいろいろな遺体が出てきたが、このときのネイトほどリアルな遺体は初めてだった気がする。今まで見てきた中で、一番衝撃的なシーンだった。そして彼は、樹木葬を希望し、防腐処置をいっさいしないまま、布にくるまれて土に埋められる。これは、リサの影響か。シンプルな葬儀だが、涙を誘う式だった。

 #11では、みんなまだ悲しみを引きずっている。なかなか立ち直れない。ブレンダとルースは、マーヤを奪い合う。デイヴィッドはトラウマに苦しみ、クレアは自暴自棄に逆戻り。そんな中、ブレンダは破水。次回、最終回だが、この一家に、どんな結末が待っているのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] ラストキング・オブ・スコットランド

 70年代ウガンダの独裁者、アミン大統領を描いた作品。フィクションと言うことだが、なかなかリアルである。アミン大統領役のフォレスト・ウィテカーが、2007年アカデミー主演男優賞を受賞して話題になった。

 1970年。めでたく医師となったスコットランドの青年ニコラス・ギャリガンは、軽い気持ちでウガンダの小さな村で、医師として働くことにする。そこで偶然、大統領になったばかりのアミンと会い、ケガの手当をすることに。すっかり大統領に気に入られたニコラスは、大統領の主治医として働くことになる。単なる主治医としてでなく、相談役として、大統領の信頼を得ていたニコラスだが、次第に彼の本性が見え始め…

 ニコラスの父も医者らしい。厳格な父らしく、ニコラスがウガンダ行きを決めたのは、どうもその父親から離れたい、自由に働きたいと言うことかららしい。行き先はどこでもよく、たまたまウガンダになっただけだ。ヨーロッパの人から見ると、アフリカの大地というのはどうも魅力的に映るらしい。

 と言うことで、最初は旅行気分である。バスで知り合った女性と、さっそく一発やっている。どうやら女にだらしない青年のようだ。その後、診療所の医師の妻(ジリアン・アンダーソン、X-ファイルのスカリーだね!)も口説こうとするが、さすがに拒まれる。そんなこともあり、大統領から主治医のオファーがあり、最初は断ったものの、結局引き受けてしまう。この辺り、ニコラスの甘さがよく出ている。信念を持って村の診療所へ来たのならば、大統領の主治医なんて絶対に引き受けないハズだ。

 待遇は抜群にいい。大統領の信頼も得ている。ニコラスも、最初は大統領のいいところしか見えていない。お気楽な生活だ。だが、次第に彼の本性が見え始め、ニコラス自身も意図せず周りの人々を死に追いやっていることに気づくのだが、本当に怖い。大統領は、自分を裏切った(と思いこんだ)相手には容赦しない。そして大統領は、身の危険を感じてからは、次第に周りが信じられなくなる。

 フォレスト・ウィテカーの演技がピカイチだ。時にとても気さくで、フレンドリーな男に見える。だが、ひとたび怒ると豹変する。誰も彼には逆らえない。裏切ったと思われただけで殺されてしまうのだから。

 映画は、ニコラスの視点で描かれている。お気楽なスコットランド青年の、きっつい人生勉強といったところか。アミン大統領が最後にニコラスに言うセリフが、なかなか深い。おそらくは、アフリカを見下してやってきただろうニコラスが、自分の愚かさを思い知った瞬間である。

 フィクションとはいえ、一部事実に基づいているようである。残酷なシーンもあるので、お子さまにはどうかと思うが、中学生以上くらいならば、見ておいてもいいかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月13日 (日)

[映] 夢駆ける馬ドリーマー

 ダコタ・ファニングが超キュートな演技を見せてくれる、競馬馬のお話だ。"Inspired by a True Story"と言うサブタイトルがついているので、気になって調べてみたら、どうやら実際に脚を骨折したのち、復活したマライアズストームと言う馬がいたらしい。

 牧場でありながら、馬のいないクレイン家。ベン(カート・ラッセル)は、馬の調教師として生計を立てていた。彼と娘のケイル(ダコタ・ファニング)のお気に入りはソーニャドール。だが、レース当日、脚に異変を感じたベンは、欠場するよう馬主に勧めるが、却下。案の定、レース中に骨折し、重傷を負ってしまう。安楽死させろと言う馬主に逆らったため、ベンは解雇されてしまう。ソーニャドールを引き取ることにするが…

 足を折ったから安楽死というのは、あまりにもかわいそうな話であるが、競馬馬は走りが命、走れなくなったら商品価値はゼロということなのだろう。見かねたベンはソーニャを引き取ることにする。レース出場はムリでも、歩くことができるようになれば、種付けして子馬を生ませ、それを売れば儲けが出ると踏んだのだ。だが、そううまく事は運ばず、一家は窮地に立たされる。

 この一家、家族の関係がちょっと微妙なようだ。破綻した牧場ということで、ベンは調教師として働いている。破綻した理由は後に明らかになるのだが、馬という生き物を相手に、ビジネスとして割り切れなかったと言うことらしい。ケイルは父を尊敬していて、父の仕事をすばらしいと感じている。馬が大好きだ。だが、ベンは娘にあまり馬に関わって欲しくないらしい。また、過去の失敗が原因なのか、父(クリス・クリストファーソン)とはなんとなくうまくいっていない。妻(エリザベス・シュー)は、ベンの収入がなくなったため、ダイナーでパートを始めるが、馬関係の話ではあくまでも裏方に徹している。

 冷酷な馬主役でデヴィッド・モース。一家と一緒に馬の世話をする調教師マノリン役に、シックス・フィート・アンダーのフェデリコこと、フレディ・ロドリゲス。バロン役に、ルイス・ガスマン。この二人、なかなかいい味を出している。

 そんな一家が、目的のために1つになる。ケイルも、ソーニャについて責任を持つ立場になることで、成長する。後半、何もかもトントン拍子でうまくいきすぎる気はするが、夢が叶う様子を見て悪い気はしない。確執のあった父(ポップ)と息子(ベン)、父(ベン)と娘(ケイル)が、それぞれ絆を深める様子もすばらしい。馬の走る姿も美しい。親子で楽しめる作品だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] ロッキー・ザ・ファイナル

 言わずと知れたロッキー・シリーズの第6作。よくまぁ6作も作ったもんだ。あんたいったい何回引退→復帰してるのと言う感じだが、なかなか楽しめる。

 かつて、2度のタイトルに輝いた元ヘビー級ボクサー、ロッキー・バルボア。今は、地元でイタリアンレストランを経営、安定した生活を送っていた。だが、愛妻エイドリアンを亡くし、息子とも疎遠になりつつあり、むなしさから、思い出の地を歩く毎日。ある日、現役チャンピオンと自分とのCGによるドリームマッチをテレビで偶然見たロッキー。自分もまだできるのではと考え、現役復帰を考える。

 1作目からちょうど30年後ということで、年としては50代半ばくらいの設定か? 確かに、世間一般では、まだがんばれる年かもしれない。だが、なんと言ってもボクサーだ。ちょっとムリがあるのでは…?? と思っていたのだが、なかなかどうして、迫力のあるボクシングシーンを見せてくれる。シルベスター・スタローン、御年60才である(当時ね)。

 お話としては非常に単純。すっかり落ち着いてしまったロッキーだが、愛妻を失い、息子も家を出て、とにかく寂しい。ボクシング以外の趣味があるとも思えないので、趣味に生きるおじさんにもなれそうにない。でも何かしたい。まだまだ何かできる。そうだもう一度ボクシングやってみようと言う発想である。

 ロッキーの息子役に、ヒーローズのピーター・ペトレリこと、マイロ・ヴィンティミリア。エイドリアンの兄ポーリー役は、以前と同じバート・ヤング

 さすがにタイトルマッチというワケではなく、エキシビジョンマッチと言うことなのだが、長いボクシングファイトシーンはなかなかの迫力。相手役は、チャンピオンながら、周りからバッシングされていると言う設定も面白い。ロッキーと好戦することで、彼の印象も良くなる。また、なんとなく父親を敬遠していた息子も、父を応援することで一体感が生まれる。もちろんロッキー自身も、がんばることで自信を取り戻す。みんな良い方へ向かってハッピーに終わる映画である。それだけっちゃそれだけだし、話がうますぎる気もするが、まぁ、そんな映画があってもいい気がする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] オール・ザ・キングズメン

 実在の政治家をモデルにした小説「すべて王の臣」を映画化した作品らしい。さらに1949年のリメイクだ。カリスマ州知事役をショーン・ペンが熱演している。

 ルイジアナ州の下級役人だったウィリー・スタークは、郡の汚職を告発。彼が注目を集めていたことから、州知事選に推され立候補。だが、実は当て馬だったこと、自分を推してくれた人たちは、対立候補の回し者だったことがわかる。そこでウィリーは自らの本音を語ることで人々の心をつかみ、見事勝利を勝ち取るのだが…

 ウィリー・スタークの物語なのだが、彼の側近となった元新聞記者、ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)の視点で描かれている。ジャックの心の動きがなかなか面白い。

 ウィリーは、カリスマ性のある人物のようだ。最初はしがない郡の出納官だった。汚職を告発するが、誰にも聞き入れてもらえない。妻は教師で、妻の言いつけ通り、酒はいっさい飲まない。真面目な男である。
 汚職をうやむやにしたせいで、小学生数人が命を落とす事故が発生する。その悲惨な事故のおかげで、ウィリーは急に注目されるようになる。この人気に便乗したのが、州知事選に立候補していた人物だ。対立候補の当て馬として彼を立候補させれば票が割れ、相対的に自分の得票数が増える=当選ともくろんだワケだ。ところが、ウィリーが勝ってしまう。

 だが、いざ州知事になってしまうと、ウィリーは変わってしまったようだ。その辺り、詳しく描かれてはいないのだが、女遊びもするし酒も飲むようになる。おそらく汚職もしているということなのだろう。真面目な正直者というのがウリだったのに。それが告発されそうになり、立場が危うくなったウィリーは、ジャックを使ってあれこれ策を練る。ジャックは、個人的なツテを使うのだが、そのために大切な人を失ってしまう。ジャックの過去が描かれているのだが、幼なじみ(ケイト・ウィンスレット)に対する淡い恋心から、父親のような存在の判事(アンソニー・ホプキンス)の存在まで、ノスタルジックでいい。

 ジャックの母役にキャシー・ベイカー。ウィリーの側近セイディ役にパトリシア・クラークソン、タイニー役にジェイムズ・ギャンドルフィーニ(タイニーって笑える)。

 ショーン・ペンが少々オーバーアクションなのが鼻につくが、なかなか見応えのある作品だ。是非、元作品も見てみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月11日 (金)

[映] リバティーン

 かなり難解な映画であるため、録画したままなかなか見る気になれず… ジョニー・デップが、17世紀の実在の詩人の生涯を演じている。

 17世紀のロンドン。国王に追放されていた男、ジョン・ウィルモットことロチェスター伯爵が恩赦を受けて戻ってきた。若くして詩人としての才能を開花させた彼は、その破天荒ぶりが度を超し、国王の親族の前で卑猥な詩を読んで怒りを買ったらしい。それでも国王から好かれていた彼は、国民に影響力のある大作を書き上げるよう命じられるが、酒と女におぼれる日々。そんな彼は、劇場で客のバッシングを受けていた1人の新人女優の中に、秘められた才能をみつける。彼女を大女優にするために、演技指導を申し出るのだが…

 なんとも強烈な映画である。天才詩人の生き急ぎすぎた人生と言ったところか。ジョニー・デップが、ロチェスター伯爵に惚れ込んで演じたと言うのだが、なるほど、彼らしいと思った。壮絶な人生である。

 酒と性欲におぼれた彼は、酒と性欲で身を滅ぼすこととなる。アル中と梅毒だ。美しかった彼は、晩年醜い姿となる。歩くのもままならず、当然女遊びももうできない。そして33才の生涯を終える。

 彼が最初に愛した女性は母親なのだろうか。母親との意味深なシーンもある。次に愛したのは間違いなく妻エリザベスだ。周囲に反対されたため、誘拐して結婚したと言う。そして最後に愛したのは、大女優となったエリザベス・バリー。通称リジーだが、妻と同じ名というのも面白い。醜い姿となり、死を待つだけの彼を、最後まで愛し続けて看取った妻。彼を深く愛しつつ、彼の子を身ごもりながらも、彼には見切りをつけ、縁を切った愛人リジー。二人の対比も面白い。リジーが、ジョンの演技指導でどんどん演技力が増していく様も興味深い。

 妻エリザベス役は、「プライドと偏見」で美しい長女ジェーンを演じたロザムンド・パイク。激しさを内に秘めた気品ある美しさを見せてくれる。女優リジー役は、「マイノリティ・レポート」のアガサこと、サマンサ・モートン。チャールズ国王役に、ジョン・マルコビッチ。ツケ鼻してかなりメイクアップしている。

 性描写も多いし、卑猥な表現、かなり露骨な男性器のオブジェも出てきたりするので、お子さまにはお勧めできない。大人でも嫌悪する人も多いだろう。だが、ジョニー・デップのディープなファンならば、一度は見ておいてもいいかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月 9日 (水)

[映] ラッキー・ユー

 ドリュー・バリモアが大好きなのだが、彼女が出演ということで(おまけにこんなタイトルだし)、いつものラブコメ路線かなと思っていたら、ちょっとと言うか、かなり違った。エリック・バナ主演、ギャンブラーの父と子の確執を描いた作品。

 舞台はラスベガス。プロのポーカープレイヤーのハックは、ポーカーに関しては大胆不敵。だが、先輩プレイヤーである父との仲は険悪。他人と深い関係になることを避け続け、特定の恋人もいない。そんな彼は、ある日かつての恋人の妹、ビリー(ドリュー・バリモア)に恋をする。だが、賭け事のため、彼女をも利用してしまい…

 エリック・バナとロバート・デュバルが見せる、父と子の物語だ。決してうまくいっているわけではない。かつて、ギャンブルのために母を裏切った父を、どうしても許すことができないハック。それでも、自分もギャンブラーとしての道を歩んでいる辺り、父に対する思いも大きい気がする。二人は、母の結婚指輪を何かと奪い合う。この辺り、ライバルであり、反目しあいながらも、深い絆で結ばれているようでもある。

 ポーカーのシーンが面白い。勝負の世界だが、駆け引きが重要だ。相手の表情を読み、手札を推理する。父子対決が何度かあるのだが、それぞれ興味深い。ポーカー大会では、3度目の優勝を狙って浮かれる父に対して、もう少し冷めた目で見ているハックの対比が面白い。

 今回、ドリューはブルネットに染めて完全に脇役に徹している。彼女の姉役はデブラ・メッシング(ウィル&グレイスのグレイス)。ロバート・ダウニー・Jrも出てる。派手さはないが、ポーカーフェイスのエリック・バナがいい。大金がバンバン動く。ギャンブルは度胸がないとできないね。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] イーオン・フラックス

 シャーリズ・セロンが、今度は美しい女戦士を演じる。どうもあまり評判は良くないようだが、彼女のしなやかな美しさは見るに値する。

 ウィルスによって人類の大半が死滅した。ワクチン開発が成功し、生き残った者たちは隔離されたブレーニャで暮らしていた。2415年、ブレーニャは、ワクチンを開発した科学者グッドチャイルドの子孫が支配していた。一方、反乱組織モニカンの女戦士イーオンは、唯一の肉親である妹を政府に殺されてしまう。組織から、グッドチャイルド家8代目当主暗殺命令が出され、復讐に燃えるイーオンが乗り込むが…

 最初の数分で、設定を一気に語られてしまうのが、ちょっとつらい。グッドチャイルド家の独裁ということらしいのだが、科学者が独裁者になったと言うのが、ちょっと納得行かない。さらに、反乱組織もかなり怪しげで、政府に対して反乱しているのはわかるが、何が問題で反乱しているのかがよくわからない。その辺り、ストーリーのツメが甘い気はする。

 とはいえ、イーオンの戦闘シーンは迫力というより、美しい。妹の死の真相、グッドチャイルド家の隠してきた秘密など、最後まで楽しめるストーリーでもある。反乱組織のボス(?)ハンドラー役にフランシス・マクドーマンド、クローン遺伝子のキーパー役にピート・ポスルスウェイト(「父の祈りを」でのダニエル・デイ・ルイスの父役が印象的だった)、イーオンの同僚女戦士シサンドラ役に、ホテル・ルワンダのソフィー・オコネドー。このシサンドラ、足も手になっているのだが、イーオンに負けず劣らず格好良い。

 シャーリズ・セロンの美しい戦いぶりを見るにはいいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月 5日 (土)

[映] アントブリー

 トム・ハンクス製作のCGアニメーション。いじめられっ子が、憂さ晴らしでアリいじめ(=Ant Bully)していたら、アリのサイズにされてしまいアリ社会に入ることになると言う、一見他愛もないお話だが、なかなか面白い。

 いじめられっ子のルーカスは、いつもいじめられてばかり。体の小さい彼は、大きないじめっ子にやり返すこともできない。できるのは、自分より小さな相手、アリの巣を破壊することくらい。だがそのたびに酷い目にあっていたアリたちは、ある日立ちあがった… ルーカスをアリサイズにしてしまったのだ…

 自分ちの庭で小さくなると言うのは、ミクロキッズや、先日のミニモイに通じる物がある。良く知っているハズの場所なのに、見る景色は全く違う。(当たり前だが) そして初めて知るアリたちの世界。自分が今まで知らずにしてきたことを悔いるルーカス。

 アリ社会で暮らすことになったルーカスだったが、アリたちからは総スカン。そりゃそうだ、破壊者なんだから。それでも彼に優しく接してくれるホーバ。だが、彼女に気があるゾックは、彼女を取られたような気がしてますます気に入らない。

 そんなある日、害虫駆除業者がやってくる。このままじゃみんな殺されてしまう。協力して戦わなくては。虫たちはルーカス指揮の下、みんなで協力して、駆除業者をやっつける。ま、ありがちな展開ではある。だが、小さな者たちがみんなで力を合わせて、大きな敵と戦う姿は見ていて頼もしい。みんなと違うと言うことでいじめられていたルーカスは、「みんな違うからこそ、協力すればいろんな事ができる」と言うゾックの言葉に勇気づけられる。

 映像的にも、ストーリー的にも、「アーサーとミニモイ~」ほどの派手さはない。だが、単純なストーリーの中にある、シンプルなメッセージが心を惹きつける。監督は、ジミー・ニュートロンのジョン・A・デーヴィス。ニコラス・ケイジやジュリア・ロバーツ、メリル・ストリープなどが声を担当したらしい。字幕版で見たかったな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] ビート・ザ・ドラム

 タイトルから、「ドラムライン」のような演奏が聴けるのかと、ちょっと期待したのだが(^o^;、全然違った。だが、南アフリカでのエイズ蔓延を描いた、感動的な作品だ。

 南アフリカの小さな村に住む少年ムーサ。母を病気で失った直後、今度は父を失う。親族は祖母と従妹だけ。頼みの綱は、出稼ぎに出たまま戻らないおじ。ムーサは、おじを探し、家族の生計を支える牛を購入する資金を稼ぐため、1人ヨハネスブルグへと旅に出る。父の形見の太鼓を持って…

 ムーサは健気だ。両親を失い、失意のどん底であろうに、父の遺言である、「男になって家族を守れ」を果たすため、1人で旅に出る。とはいえ、電車やバスがあるわけでもなく、ムーサは1人ひたすら歩く。太鼓をたたいて元気を出しながら。

 小さな町で、トラックを運転する男ノベと出会う。町で女を買うような男である。だが、ムーサとの出会いで、彼も変わり始める。二人の、まるで親子のようなほのぼのとしたシーンがたまらない。

 ヨハネスブルグについたムーサは、親のない子がたくさんいることを知り、レティという少女と出会う。彼らの多くは盗みをして暮らしている。だがムーサは泥棒はしたくない。信号待ちの車の窓を拭くことで、お金がもらえる(かもしれない)ことを知る。行き交う車を見ていれば、おじに会えるかもしれない。

 小さな村とは全く違う、大都会の生活。そこで、いろいろな物を見たり、レティの話を聞いたりしているうちに、ムーサは病気の原因が何なのかを知る。エイズである。治す方法は無いが、発病を遅らせる薬はある。感染を防ぐ手段もある。検査を受け、もし感染していたら、他の人にうつさないように注意すべきだ。エイズから目を背けてはいけない。みんなの意識を高めなければ。ムーサの呼びかけで、大人たちが動く。

 アフリカのエイズ孤児は1200万人に登るという。未だ感染者は増え続けている。これは知識不足からくる。みんなでもっと感心をもたなくてはならない。この映画はそう訴えている。ムーサのドラムはあまり聞くことができなかったが、タイトルはそういう意味だ。太鼓をたたけ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

[映] リーピング

 ヒラリー・スワンク主演。ホラー・サスペンスとのことだが、いわゆるオカルト映画である。

 牧師として布教活動をしていたキャサリンは、夫と娘を失った過去があり、そのことから信仰を捨て、今はオカルト現象を科学的に解明することを使命としていた。彼女の元に、小さな田舎町ヘイブンで起こった不可解な現象を調査して欲しいと言う依頼が舞い込む。彼女が町へ行くと、旧約聖書の「十の災厄」と同じ現象が…

 キャサリンは、信仰を捨て、今は科学者として調査していると言う立場だ。なので、不可解な現象も全て科学で説明がつくはずだと信じて乗り込む。ところが、説明がつかないばかりか、ある少女が原因らしいと言うことがわかる。全てその少女が引き起こした災害だと言う町の人々。

 町の住人の行動は、だんだん魔女狩りのようになっていく。ついにはキャサリンも彼女を疑うようになり… ってここで単純にみんなに言われるまま少女を殺してしまっては、ただの魔女狩り映画である。さすがにそこまで酷くはないのだが…

 結局は、サタン崇拝の町だということが判明。なんだ、そういう映画だったのね、とわかった途端に、ガッカリしてしまった。ヒラリー・スワンク主演で2007年の映画なのに。それに、WOWOWの番組表に乗っている写真もよくない。キャサリンが、謎の少女を抱きしめているのだ。かなりネタバレだろう。

 と言うワケで… 宗教がらみのオカルトものが好きな方には、なかなか面白い映画かもしれない。が、ヒラリー・スワンクの演技を期待していた者としては、ガッカリな映画だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月 4日 (金)

[映] サンキュー・スモーキング

 正しくは「Thank you for smoking」。タバコ業界のスポークスマンを描いた異色の映画。日本でもタバコが何かと話題になっているので、なかなかタイムリーである。

 タバコ研究アカデミーのスポークスマン、ニック・ネイラー。彼は、タバコ業界のロビイストとして、日々喫煙擁護のために弁舌をふるっていた。だが、喫煙に対する風当たりは強くなる一方。タバコのパッケージにドクロマーク表示を義務づけようとする上院議員が現れ、それを阻止するよう命じられるニック。

 かなり皮肉の効いた映画だ。ここでは、タバコ業界ロビイストのニックが主役ということで、タバコの害を訴える上院議員は完全に悪者扱いである。ニックの友達も、アルコール業界のロビイスト、銃器業界のロビイストであり、それぞれ世間からの風当たりが強い業界というのも面白い。3人で食事しながらお互いの苦労を愚痴るのだ。

 ニックの弁舌は巧みである。討論番組に出演しても、なぜか正論を言っている相手の方が印象悪く見えてしまう。それは弁舌だけでなく、表情や口調などの見た目の印象もあるのだろう。

 息子との関わりがまたいい。息子は父を尊敬している。正直、自分でもタバコの害はわかっているし、そんなタバコ擁護の仕事をしているのはお金のため。それでも、彼は自分の仕事を誇りに思い、自分の特技に自信を持つ。そんな姿を見て、息子は父を誇りに思う。

 そんな仕事のため、ニックは脅迫され、誘拐され、殺されそうになる。女性記者に心を許してしまい酷い目にも遭う。ついにはクビになってしまう。落ち込んだニックの心に響いたのは、最愛の息子の言葉。最後はなかなか痛快である。

 ニック役はアーロン・エッカート。息子ジョーイ役は、スターゲイトSG1のオーリン、X-MEN3のリーチなどちょっと神秘的な役柄が似合うキャメロン・ブライト。ニックの友達役で、ERのアンナ・デル・アミコことマリア・ベロ。ニックの上司に、OZのシリンガーことJKシモンズ。ニックの元妻役で、デッドウッドの娼婦ジョアニーことキム・ディケンズ。タバコ反対の上院議員役に、ウィリアム・H・メイシー。タバコ業界の大物役に、ロバート・デュバル。記者役に、ドーソンズ・クリークのジョーイ(今やトム・クルーズ夫人!)ことケイティ・ホームズ。ハリウッドの敏腕エージェント役にロブ・ロウ。彼の助手役に、OCのセス・コーエンことアダム・ブロディ。初代マルボロ・マン役にサム・エリオット。なかなか面白いキャスティングだ。

 ニックの弁舌もすごいが、息子ジョーイもかなりのもの。冷静に、真顔で大人を説得するシーンは必見。ロビイストというのがどんなものか、なんとなくわかった気がする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »