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2008年7月 4日 (金)

[映] サンキュー・スモーキング

 正しくは「Thank you for smoking」。タバコ業界のスポークスマンを描いた異色の映画。日本でもタバコが何かと話題になっているので、なかなかタイムリーである。

 タバコ研究アカデミーのスポークスマン、ニック・ネイラー。彼は、タバコ業界のロビイストとして、日々喫煙擁護のために弁舌をふるっていた。だが、喫煙に対する風当たりは強くなる一方。タバコのパッケージにドクロマーク表示を義務づけようとする上院議員が現れ、それを阻止するよう命じられるニック。

 かなり皮肉の効いた映画だ。ここでは、タバコ業界ロビイストのニックが主役ということで、タバコの害を訴える上院議員は完全に悪者扱いである。ニックの友達も、アルコール業界のロビイスト、銃器業界のロビイストであり、それぞれ世間からの風当たりが強い業界というのも面白い。3人で食事しながらお互いの苦労を愚痴るのだ。

 ニックの弁舌は巧みである。討論番組に出演しても、なぜか正論を言っている相手の方が印象悪く見えてしまう。それは弁舌だけでなく、表情や口調などの見た目の印象もあるのだろう。

 息子との関わりがまたいい。息子は父を尊敬している。正直、自分でもタバコの害はわかっているし、そんなタバコ擁護の仕事をしているのはお金のため。それでも、彼は自分の仕事を誇りに思い、自分の特技に自信を持つ。そんな姿を見て、息子は父を誇りに思う。

 そんな仕事のため、ニックは脅迫され、誘拐され、殺されそうになる。女性記者に心を許してしまい酷い目にも遭う。ついにはクビになってしまう。落ち込んだニックの心に響いたのは、最愛の息子の言葉。最後はなかなか痛快である。

 ニック役はアーロン・エッカート。息子ジョーイ役は、スターゲイトSG1のオーリン、X-MEN3のリーチなどちょっと神秘的な役柄が似合うキャメロン・ブライト。ニックの友達役で、ERのアンナ・デル・アミコことマリア・ベロ。ニックの上司に、OZのシリンガーことJKシモンズ。ニックの元妻役で、デッドウッドの娼婦ジョアニーことキム・ディケンズ。タバコ反対の上院議員役に、ウィリアム・H・メイシー。タバコ業界の大物役に、ロバート・デュバル。記者役に、ドーソンズ・クリークのジョーイ(今やトム・クルーズ夫人!)ことケイティ・ホームズ。ハリウッドの敏腕エージェント役にロブ・ロウ。彼の助手役に、OCのセス・コーエンことアダム・ブロディ。初代マルボロ・マン役にサム・エリオット。なかなか面白いキャスティングだ。

 ニックの弁舌もすごいが、息子ジョーイもかなりのもの。冷静に、真顔で大人を説得するシーンは必見。ロビイストというのがどんなものか、なんとなくわかった気がする。

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