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2008年10月28日 (火)

[映] シッコ

 突撃取材など過激なドキュメンタリー映画でお馴染み、マイケル・ムーア監督が、今度はアメリカの医療保険制度を題材に取り上げた。

 ドラマERや、アメリカ映画などを見ていると、アメリカでは保険に入っていない人がたくさんいることがわかる。それもかなり問題だけれど、今回彼が特に問題視しているのは、保険に入っているのに、医療が受けられない人たちだ。悪名高きHMO。

 どうやらアメリカには公的医療保険はないらしい。低所得者層は、保険料が安めのHMOに加入することが多い。けれど、この民間の医療保険組織は、あらかじめ決められた病院にしかかかれないらしい。突然の高熱で、近くの病院へ幼い娘を連れて駆け込んだ母親が紹介されていたが、彼女の保険の指定医ではないと言うことで、診察を拒否され、亡くなってしまったとのこと。

 また保険に加入しているのに、必要な治療が受けられないことも多いらしい。保険会社に雇われ、その治療が必要か否かを判断する医者がいる。彼らは、患者の治療を、必要ないと却下すればするほど、地位が上がり、収入が増える仕組みになっているらしい。患者に治療を受けさせない選択をすることで、儲かる医者。ヒポクラテスの誓いはどうなった?

 マイケル・ムーアは、アメリカの現状を紹介するだけでなく、他の先進諸国の事情も取材。イギリスやカナダ、フランスは医療費無料。無料だからといって、手抜きがあるわけでも、待遇が悪いわけでもなく、アメリカよりもずっと満足のいく治療が受けられる。
 彼らしい描き方として、911の際、救助作業にあたった救急隊員やボランティアたちが、作業の後、呼吸器障害などに悩まされている問題を取り上げている。国のヒーローとも言える彼らが、治療の必要なしと言われ、満足な治療を受けられないままである。彼らを引き連れ、かつての仮想敵国であるキューバへ向かったムーア。そこも、医療費無料なのだ。さらに、同じ薬が、かなりの低価格で売っていることに衝撃を受ける患者たち。

 日本でも、医師不足から、救急患者がたらい回しにされる事件が相次いでいる。これもかなり問題だが、アメリカの問題はもっと酷い。貧乏人は死ねと言っているようなものだ。なぜこんなことになってしまったのか。その辺も、ちょっとだけつついている。(ニクソン?)

 せっかく最高水準の医療があるのに、お金がなければ治療が受けられないなんて。

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