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2009年2月14日 (土)

[映] ヒトラーの贋札

 去年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品。地味ながら、体験者の手記を元に製作されただけに、リアルに描かれている。

 1936年ドイツ。パスポートや紙幣の偽造をしていたユダヤ人サリーは、逮捕されてユダヤ人収容所へ連れて行かれる。だが、そこで偽造の腕前に目を付けられたサリーは、外国紙幣贋造に従事させられることに。それは、偽ポンドや偽ドルを大量に作り、英米経済を混乱させようという、「ベルンハイト作戦」だった。拒めば自分の命がないが、手を貸せば、同胞への裏切りになる…

 ユダヤ人収容所の映画はいろいろ見たが、これはちょっとタイプが違う。こんなこともあったんだと言う感じだ。ユダヤ人収容所の中でも、ここは、紙幣偽造のスペシャリストの集まりということで、多少優遇されている。他よりも少々自由があり、他よりもちょっと良い物が食べられ、他よりもちょっといいベッドで眠ることができる。

 今までも紙幣の偽造をしていたサリーにとって、紙幣の偽造自体に罪悪感はないようだ。むしろ、自分の才能を生かせる場所に来られたとばかりに、ポンド札の偽造に成功。そのデキがあまりにすばらしかったため、今度はドル札を大量に印刷するよう命じられる。

 だが、ここで疑問を持つ者が現れる。ナチに手を貸すことは、同胞に対する裏切りであると。とはいえ、命令通り印刷しないと、即銃殺だ。修整主任としてサリーは葛藤する。

 正義感を持ち出すブルガーに、そんなタテマエよりも、とりあえず今を生き延びることの方が重要だと突っぱねるサリーは、一見、自己中心的で冷たい男のように見える。だが、作業所で一緒に作業している仲間だけでも、なんとか一緒に生き延びようと努力する彼は、実はものすごく仲間思いである。だから、弟のようにかわいがっていたコーリャへの仕打ちを知り、物静かなサリーが怒りを爆発させる。

 派手な演出こそないが、淡々と描かれている内容は実に深い。

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