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2009年3月30日 (月)

[映] スルース

 この作品、元はアンソニー・シェーファーの舞台劇だそうで、72年にローレンス・オリビエとマイケル・ケインで映画化。その後、2007年に、今度はオリビエの役をマイケル・ケイン、そしてマイケル・ケインの役をジュード・ロウが演じて再び映画化。WOWOWでは両方続けて放送されたので、新旧見比べをしてみた。登場人物の設定はほぼ同じ。

 人気推理小説家アンドリュー・ワイクの邸宅に、マイロ・ティンドルと名乗る男がやってくる。彼はアンドリューの妻と浮気をしている。彼女と結婚したいと考えるマイロに、アンドリューはある提案をする。浪費癖のある妻を養うのは大変なので、自分の家にある宝石を盗み出して現金化、それを生活費にあてれば良いと言うのだ。そしてマイロは言われるがままに強盗を演じるのだが…

 結論から言ってしまうと、旧作の方が断然面白い。旧作138分、新作88分で、旧作の方が50分も長いのだが、長さを感じさせないばかりか、展開が実に巧妙で、小道具がまた効いている。

 まず大きな違いから言うと、旧作では2人の年の差約26歳であるのに対し、新作では約39歳。つまり、アンドリューの妻を寝取った男が、新作ではどうも若すぎて、この妻、いったいいくつなの?と思ってしまう。旧作では、マイロは美容院を経営していて、一応それなりの稼ぎのある、身なりのきちんとした男性であるのに対し、新作では、美容師だが役者志望で、あまり稼ぎのない若造だ。どちらもアリではあると思うのだが、その設定のためか、強盗をもちかける際の説得の仕方がだいぶ違う。新作では、そんな無謀な誘いに、ホイホイ乗ってしまうのだ。そんな計画性のない、いい加減な男にもかかわらず、後半は妙に緻密な計画を練ってみたり、その後、なんだか2人の関係が怪しくなったりと、かなりとりとめない。その点、旧作では、前半もかなり丁寧に描かれている上に、後半の見せ方もすばらしい。

 この作品、前半と後半の2人の立場が逆転するところが見所だ。その点はどちらもよく描かれているとは思うが、どちらか一方を見るのなら、断然旧作をおすすめする。でも、両方見比べてみるのも楽しい。

 

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