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2009年6月27日 (土)

[映] 君のためなら千回でも

 なんてサエないタイトルだろうと思ったが、この言葉が映画の中で涙を誘う。感動的な作品だ。アフガン生まれのホッセイニ氏の自伝的小説を映画化したものらしい。彼自身も、ドクター役でチョロッと出演している。

 70年代のアフガニスタン。裕福な家庭の少年アミールは、使用人の息子ハッサンと仲良し。いつも一緒で、ハッサンにたこ揚げを教わったり、アミールがハッサンに本を読んでやったりしていた。ところがある出来事をきっかけに、友情が壊れてしまう。その後ソ連軍によるアフガン侵攻があり、アミールと父はアメリカに亡命。2000年。自叙伝を出版することになったアミールの元へ、父の親友から、アフガンに戻れという電話が入る…

 70年代の平和なアフガニスタン。二人の少年の友情は本当にほほえましい。ハッサンは勇気ある頭のいい子だ。だが、使用人の子であり、ハザラ人であることで差別されていた。それに対してアミールは、裕福な家庭のおぼっちゃまであり、何不自由なく育つ。だが、父親が、ハッサンの勇気や行動力ばかりほめるため、自分は愛されていないのではないかと不安になる。

 そして凧揚げ大会。ハッサンの指導で、アミールの凧は見事優勝。父親も大喜びだ。今まで、なんとか父に認められたいと思っていたアミールは、これ以上嬉しいことはない。ハッサンは、アミールのために、落とした相手の凧を探しに行く。だが直後に、事件が起こる。そしてこの事件を境に、二人の友情は壊れてしまう。

 アミールは事件を目撃している。その場で戦う勇気はなかったにしても、何かすることはできたはずだ。だが彼は何もしない。見て見ぬ振りをしてしまう。なぜ父親に言いつけて相手を懲らしめることをしなかったのだろう。なぜ自分のために戦ったハッサンに、優しい言葉をかけてあげることができなかったのだろう。そう、それは、やっと勝ち取った父からのほめ言葉を失うことにつながり、またもやハッサンがほめられ、同情されるだろうことにつながるからに違いない。なんとも利己的で、思いやりのない行動ではあるが、子供らしい行動とも言える。彼にはまだ人を思いやる余裕がなかったのだ。

 そんな彼も、すっかり大人になり、結婚して、自叙伝を出版。そして、ハッサンの訃報、彼と自分との意外なつながりを知る。ここからはもう、アミールがんばれ!と言う感じである。最後には、冷静に、正しいことをはっきりと言える立派な青年に成長する。

 アミールの父が、亡命途中で見せた勇気が忘れられない。本当に感動的な、すばらしい作品だ。

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