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2009年7月 5日 (日)

[映] つぐない

 原作「贖罪」の映画化。前半の雰囲気は「プライドと偏見」に似ているが、後半はもっと重く苦しく切ない。

 1935年夏のイングランド。旧家タリス家の末娘ブライオニーは、13歳にして小説を書き上げる。彼女は、ある日、使用人の息子ロビーと、姉のセシーリアの奇妙な言い争いを目撃。その晩の晩餐会の直前、ロビーとセシーリアが抱き合う姿を目撃してしまったブライオニーは、ロビーに不信感を抱く。さらに、従姉のローラが屋外で何者かにレイプされる事件が発生。たまたま現場を目撃してしまったブライオニーは、ロビーが犯人だと証言するが…

 13歳というのは、多感な時期だ。周りに自分より年上の人間しかいないブライオニーは、ロビーに淡い恋心を抱く。それはかわいらしいものであり、いつも優しくしてくれるお兄ちゃんが好きという類のものである。だが、年の離れた姉セシーリアとロビーは、もっと性的な意味で互いを意識し始める。当然な成り行きといえよう。二人の気持ちは燃え上がるが、その現場を目撃してしまったブライオニーには、起きていることの意味がよく理解できなかった。

 一方、もう少し年上の従姉ローラは、もう少しマセているようだ。ブライオニーの兄が連れてきた友人(すでに大人である)に惹かれ、自分を売り込む。よく、女性が好きな男の前で身をくねらせる、アレである。そして事件が起きる。だが、これは本当に事件だったのだろうか。その後のことを考えると、ちょっと怪しい気もする。合意の上だったのではないかと言う疑いもある。

 それはさておき、それまでのことで、すっかりロビーを汚らわしい者のように感じてしまったブライオニーは、ローラをレイプした犯人をロビーだと言い張る。そこから、悲劇が始まってしまうのだが、これにはロビーにも少々責任があるように思う。セシーリアに渡した手紙である。卑猥な言葉を書いた手紙を、誤って渡してしまうのだが、これをブライオニーに頼んだことで、彼女にも知れてしまう。これがなければ、もう少し違っていたのではないか?

 セシーリア役にキーラ・ナイトレー。ロビー役にジェームズ・マカヴォイ。ブライオニー役は、3人が演じているが、13歳役のシアーシャ・ローナンがすばらしい。老年はバネッサ・レッドグレーブ。

 2008年のアカデミー賞に多数ノミネートされていた話題作。さすがに見応えがあった。

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» mini review 09355「つぐない」★★★★★★★★☆☆ [サーカスな日々]
ブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー小説を、『プライドと偏見』のジョー・ライト監督が映画化。幼く多感な少女のうそによって引き裂かれた男女が運命の波に翻弄(ほんろう)される姿と、うそをついた罪の重さを背負って生きる少女の姿が描かれる。運命に翻弄(ほんろう)される男女を演じるのはキーラ・ナイトレイと『ラストキング・オブ・スコットランド』のジェームズ・マカヴォイ。映像化は困難と言われた複雑な物語を緻密(ちみつ)な構成でスクリーンに焼きつけた監督の手腕に注目。[もっと詳しく] 「アラベラの試... [続きを読む]

受信: 2009年7月24日 (金) 19:53

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