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2009年8月31日 (月)

[映] イースタン・プロミス

 ロシアン・マフィアを描いた作品だが、普通のマフィア物とはひと味違う。ヴィゴ・モーテンセンが渋い。

 ロンドンで助産師として病院に勤務するアンナの所へ、出血した少女が運び込まれる。少女は、女の子を出産した直後に死亡。少女の持ち物に、ロシア語で書かれた日記を見つけたアンナは、身元を調べるため、ロシア料理店のオーナーに話を聞きに行く。だが少女の日記に興味を持ったオーナーは、自分が翻訳すると言いだし…

 アンナ役にナオミ・ワッツ。ロシアン・マフィアの運転手ニコライ役にヴィゴ・モーテンセン。マフィアのボスの息子キリル役にヴァンサン・カッセル。

 アンナのおじもロシア系ということで、日記の内容を翻訳してもらえたと言うところがポイントだ。これがなければ、何も知らぬまま赤ちゃんは闇に葬られただろう。そして、ただの運転手と言いつつ、やたらと存在感あるニコライがなんとも渋い。まさにピッタリの役所だ。めでたしめでたしで、チャンチャンとならないラストも意味深。ニコライの戦いはまだまだこれから続くのだろう。

 セックスシーンが出てくるし、ロシアン・マフィアの人身売買の話なのでR-15指定。大人向け、ひと味違ったマフィアの物語だ。

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[映] ミラクル7号

 チャウ・シンチー制作、監督、主演のSFコメディ? とっても楽しく、そして泣かせてくれる作品だ。

 男手一つで小学生の息子ディッキーを育てるティー。極貧ながら、息子には最高の教育をと考え、建設現場で必死に働きながら、ディッキーを有名私立校に通わせていた。だが、周りには金持ちばかりの学校で、何かといじめられるディッキー。ある日、ディッキーは、クラスメートが持つ高価なおもちゃを、自分も欲しいとダダをこねる。困ったティーは、ゴミ捨て場から、奇妙なボールを見つけて持ち帰り、ディッキーに与えるが、それはUFOが置いていった物だった…

 ミラクル7号というのは、UFOが落とした(?置いていった?)謎の物体につけた名前。これは、生命なのか、ロボットなのか、イマヒトツよくわからないのだが、ディッキーたちはどうもロボットと思っているようだ。このミラクル7号と、ディッキー少年とのふれあいを描いた作品なのだろうと思っていたのだが、どちらかと言うと、ティーとディッキーの極貧親子愛を描いた作品だ。

 ディッキーは、偶然手に入れたミラクル7号を、ある意味かわいがるのだが、それはずいぶんと一方的で、自己中なかわいがり方だ。献身的に世話をすると言う訳でもなく、自分に都合の良いことを望む。のび太がドラえもんに望むように。それができないと知ると、役に立たないと怒る。全く自分勝手だ。だが、小学生はそういうもんだ。今までずっと我慢してきた分、新しくやってきた物体に求めてしまったのだろう。

 細かい突っ込みどころはたくさんあるのだが、全体として、主人公の少年はなんともイキイキとしていてかわいらしく、クラスメートたちもなかなか個性的で楽しい。そして、どんなに貧乏でも、喧嘩しつつも、とても仲の良い父子の姿はほほえましい。

 巨漢の女の子役は、男の子だろうなぁと思って見ていたのだが、なんと、主役の少年役は、実は女の子らしい。どんな女性に成長するのか、楽しみだ。

 SFと言っても、CGはチープだし、かなりコミカル。親子で楽しめる作品だ。

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[映] ワン・ミス・コール

 日本の映画「着信アリ」のアメリカ版リメイク。本当にリメイクが好きな国である。それで元よりも面白くなくなっているんじゃ、意味はないと思うのだが。

 女子大生のベスは、数日の間に友人を次々と亡くす。しかも、彼らに共通している点が。みんな亡くなる数日前に、携帯電話に着信があり、数日後の自分の最期の声を聞いていたのだった… 一方、突然妹を亡くした刑事ジャックは、捜査の過程でベスと知り合い、共通点を探るうちにある事実に気づく。そしてついにベスの携帯にも着信があり…

 これも元作品を見ていないし原作も読んでいないので、比較は出来ないのだが、原作を読んだ下の子の話では、ストーリーは大筋同じような感じらしい。ある事件があり、無念の思いが携帯電話を通じて連続殺人に発展すると言う感じだ。

 最初の事件(と言うか事故?)は、確かに悲劇かもしれない。最期に頼ったのが携帯電話というのもわかる。そこから出発したのはわかるとして、それがなぜ、無差別殺人になってしまったのかが、どうも解せない。亡霊の暴走ってか。まぁそういうのもアリか。ホラーという意味で言えば、確かに怖いシーンがたくさんあるのだが、誰が死んで誰が生き残るか、だいたい想像通りなので、あまりドキドキ感はなかった。

 唯一面白かったのは、デイブ・スペクターがチョイ役で出演していたことだろうか。

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2009年8月29日 (土)

[映] 猟奇的な彼女 in NY

 こちらは韓国映画のリメイク。元作品を見ていないので、比較はできないのだが、それなりに楽しめる作品に仕上がっている。なにより、主演のエリーシャ・カスバートがキュートで素敵。

 NYでビジネスを専攻する大学生チャーリーは、ある日地下鉄で泥酔した女性を助ける。眠ってしまった彼女を置き去りにすることができず、かついで連れ帰ることに。それ以来、何かと彼女に呼び出され、いつの間にかつき合うことに。彼女に振り回されつつも、すっかり彼女に夢中になってしまうチャーリーだったが…

 猟奇的なと言う言葉から、嫉妬深い彼女なのかとか、ちょっと異常な趣味があるのかとか、怖い映画なのかとか、いろいろ想像してしまったのだが、ちょっと意味合いが違うように思う。原題は"My Sassy Girl"。「sassy」は、生意気なとか、厚かましいとか言う意味らしい。まさにジョーダンにピッタリくる言葉。

 外見だけでなく、とっても魅力的なジョーダン。妙に正義感が強く、タバコのポイ捨ても見逃せないような人だ。けれど、飲むとすぐに意識を失ってしまう。突然突飛な行動をするし、妙な事を強要したりして、なんとも一緒にいると疲れそうな彼女でもある。そんな彼女に思いっきり振り回され、自分の目標までも邪魔されるチャーリーが、なぜか彼女に惹かれてしまう。その理由もわからないでもない。そして、ただ奔放で変わった女性なわけではなく、彼女の行動にはすべて意味があったと言うオチは、原作通りなのだろう。結末もなかなかシャレている。

 そしてなんと言っても、ジョーダン役のエリーシャ・カスバートが、とにかくキュートに描かれている。彼女を見るだけでもいいかもしれない。

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[映] ホームレス中学生

 お笑いコンビ麒麟の田村裕原作の自叙伝の映画化。本人役が小池徹平と聞いて、それは違うだろうと思ったが、確かに映画なのだから、実物に近いよりも彼の方がいいのかと妙に納得。

 1学期を終えた中学2年生の裕が帰宅すると、家の前に自宅の家具が放り出されている飢えに、自宅が差し押さえになっていて呆然。姉と兄も帰宅し、どうしたものかと相談していると、父が帰宅。3人を集めて、家族の解散を宣言。突然の事に動揺した3人だったが、兄に迷惑をかけないようにと、1人公園で暮らし始めた裕…

 なんとも壮絶な話である。中学生の頃、帰る家が無かったらなんて、想像したことすらなかった。前半は、そんなホームレス生活をコミカルに、そして後半は周りの温かさで感動的に描かれている。

 いい加減な父親に腹が立つと同時に、もっと早くなんとかすることはできなかったのかとも思う。けれど、この生活があったからこそ、今の彼があるのだろうし、なにより、周りの人の温かさが身にしみたことだろう。中学生の下の子に見せてやりたい作品だ。

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[映] アイズ

 香港の作品「アイ」のハリウッド版リメイク。元の作品を知らないので比較はできないが、Bである。

 5歳で視力を失ったバイオリニストのシドニー。そのことに責任を感じていた姉から、角膜移植を勧められ、手術をして視力が回復する。だが、見えるはずのないものまで見え始め、動揺するシドニー。医者は、急に得た視力で脳がパニックを起こしているのではと考えるが…

 臓器移植で、ドナーの記憶や何かが乗り移ると言う類の話は結構ある。ここでは角膜移植によって、ドナーが見た記憶がシドニーに移る。だが、それは単純に見た物だけではなく、ドナーが持っていた、見えない物が見え、予知ができると言う特殊能力(?)までもがシドニーに移る。ありがちなストーリーではあるが、とりあえずドナーの意図というか、シドニーの使命みたいなもんが描かれていて、その辺が少々救いではある。

 シドニー役がジェシカ・アルバだから見たのだが、彼女の魅力はあまりいかされていない記がした。病院でシドニーと親しくなる少女役で、ダーティ・セクシー・マネーのキキこと、クロエ・モレッツ。

 元々期待してはいなかったが… やっぱりねと言う感じ。

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2009年8月24日 (月)

[映] ナイト・ミュージアム2

 今年も夏に帰省し、1年ぶりで歌舞伎町へ映画を見に行くことに。だが、本当に見たい映画は上映されていない。シネコンやミニシアターのみだ。歌舞伎町で見るのが恒例になっているので、GIジョーかナイト・ミュージアム2かと言う選択。直前まで迷った挙げ句、上映開始が10分早かったナイト・ミュージアム2に決定。今回の舞台はスミソニアン博物館。

 ニューヨークの自然史博物館で夜警をしていたラリーは、その後事業が成功し、ちょっとした有名人に。ある日、ブラリと博物館へ寄ってみると、大規模な展示替えの最中だった。しかも、これまでの展示品はほとんどスミソニアン博物館の倉庫へ移されてしまうと言う。石版と引き離され、彼らはもう目覚めることがないと知ったラリー。ところが、石版もスミソニアンに移送されてしまい、倉庫に眠っていた膨大な展示物たちがよみがえってしまった…

 続編ということで、ラリーと博物館の展示物たちのその後のお話である。時代の流れに逆らえず、古くさいと言うことで倉庫行きになってしまう展示物たち。それらをラリーが救うお話だ。今回の主な舞台はスミソニアン博物館ということで、ラリーと展示物たちが博物館の中で大暴れ。外にも飛び出し… とドタバタやっているうちに終わってしまった。

 ラリー役ベン・スティラー、ミニチュアカウボーイ役オーウェン・ウィルソン、ルーズベルト役ロビン・ウィリアムス、博士役リッキー・ジャーヴェイスなど、前作と同じメンバーに加え、アメリア・エアハート役でエイミー・アダムス。そしてカームンラー王役でハンク・アザリア。彼は、考える人役や、リンカーンの石像(?)役もしているらしい。

 アインシュタインの人形が笑える。アメリア・エアハートもういういしくて素敵だ。ストーリー全体は、前作ほど深くないし、ドタバタしているだけだが、スミソニアン博物館へ行ってみたくなった。

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2009年8月16日 (日)

[映] 幸せの1ページ

 リトル・ミス・サンシャインのアビゲイル・ブレスリン主演のファンタジー。ジョディ・フォスターが、大冒険(?)する作家の役で出演。

 南の孤島で暮らす海洋学者のジャックと、その娘ニム。大自然の中で、二人だけの生活を満喫していた。ある日、ジャックは調査のために海に出るが、嵐に遭い、遭難してしまう。1人島に残されたニムは、父と連絡が取れなくなり不安に。さらに、観光客が押し寄せる。たまたまジャックの元にメールを送ってきた、冒険小説家のアレックス・ローバーに助けを求めるニム。だが、アレックスは外出恐怖症だった…

 ニムを演ずるアビゲイル・ブレスリンが、なんとも元気いっぱいでかわいらしい。彼女の勇気や行動力は頼もしいし、親子の絆もすばらしい。父ジャック役は、「300」のジェラルド・バトラー。優しい父親と、冒険小説の中のアレックス・ローバー役を演じている。アレックス役にジョディ・フォスター。

 大自然の中で動物たちと仲良く暮らすニムに対して、アレックス・ローバーは、外出恐怖症で外へ出られない、病んだ都会の女性である。家に引きこもったまま冒険小説を書いているらしい。その小説が、ニムの大のお気に入りと言うところがポイントだ。アレックスが送ったメールをニムが読み、小説の主人公がメールをくれたと思いこむ。嵐や、観光客たちが押し寄せたことで弱気になったニムは、アレックスに助けを求める。冒険小説のヒーローが助けに来てくれると信じて。

 アレックスが、ニムのために彼女のいる島へ行こうと決心するところは、かなり無理があるように思う。引きこもっている人間が、未開の地へ1人で行くとはとうてい思えない。でも、彼女が必死の思いで外へ飛び出し、なんとか島へたどり着くまでは、なかなか面白い。もっと冒険してみなさいと言う教訓のようにも見える。

 結局、アレックスの助けは必要なかったようではあるが(^o^;、今後きっと彼らに新しい展開があるのだろう。邦題はそういう意味でつけられたように思える。(原題は"Nim's island") あちこちつっこみどころはあるが、ファンタジーなので、細かいことは気にせず、家族で楽しく見て欲しい。ニム、アレックス、そしてジャックそれぞれの冒険、奮闘する姿が楽しめる。


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2009年8月15日 (土)

[映] 寝取られ男のラブ♂バカンス

 明らかにBムービーのタイトルなのだが、クリスティン・ベル出演ということで、気になって見てみたら、意外と面白い! ただし、R-15指定(エッチシーンあり)なので、要注意。

 テレビドラマのBGM担当のピーター。自分が担当する番組の人気女優サラ・マーシャルとラブラブの彼は、今日も番組で彼女を見てうっとり。だがある日、彼女から別れを言い出され、激しく落ち込む。どうにもこうにも彼女を忘れられないピーターは、彼女が以前から行きたがっていたハワイのホテルへ1人で行ってみることに。するとそこには、サラが、新しい恋人と二人で旅行に来ていた…

 まさにタイトル通りの展開なのだが、主演のピーター役ジェイソン・シーゲルが、自身の体験を元に脚本を書いたと言うだけあって、失恋した男の落ち込みぶりがなかなか面白い。

 最初は、サラたちの跡をつけ、様子をうかがう。どうしてもサラを忘れることができない。どこへ行っても、誰に会っても、自分の体験を話して嘆く。次第に、嘆き話に飽きてくるし、相手もその話に飽きてくる。顔なじみも出来る。ちょっと楽しむ余裕ができる。そして新しい恋が始まり…

 サラ・シーゲル役にクリスティン・ベル。少々わがままな女優役だ。フロントの美女役にミラ・クニス(70’s ショーのジャッキー)。また、映画の中で、テレビドラマの出演者としてウィリアム・ボールドウィンとジェイソン・ベイトマンが本人役で出演。

 ピーターが歌う弾き語りの歌もなかなか面白い。ちょっと不器用だけれど、誠実なピーターの姿に好感が持てる。

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[映] さよなら。いつかわかること

 地味な作品だが、妻を戦地に送り出した夫とその娘達という、ちょっと変わった視点で描かれていて、興味深い。原題は、ズバリ"Grace is gone"。

 ホームセンターで働くスタンレーは、ある日、戦地に出征した妻グレイスの訃報を受け取る。突然の事に呆然とするスタンレーは、このことを娘たちに話すことが出来ず。とっさに思い立って、二人を連れてフロリダの遊園地を目指してドライブを始めるが…

 女性だって軍隊に入る時代、戦地に行くことだってあるだろう。それが、家庭を持つ妻という場合もあるかもしれない。そんな一家の視点から戦争を描いた作品だ。

 まず、夫婦円満であり、愛する妻を亡くしてショックを受けていることは言うまでもない。だが、それだけではないことが、次第にわかってくる。スタンレー自身も軍にいたことがあり、妻グレイスともそこで知り合った。だが、ある事情で自分は除隊させられてしまう。そしてそのことを非常に悔いている。自分が行っていれば… と言う思いが、頭から離れない。

 いつもと様子の違う父親の姿に戸惑いながらも、旅を楽しむ娘達。目的を果たしたあと、スタンレーはビーチで母の死を告げる。とても悲しいシーンだ。同時に、今後の彼らを想う。3人で励まし合って生きていくんだろうなと。

 スタンレー役に、ジョン・キューザック。マリサ・トメイがチョイ役で出演。また、この映画の音楽を、クリント・イーストウッドが担当。

 悲しいお話だが、ドンパチやらなくても戦争の悲惨さは描けると言う良い見本かもしれない。

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2009年8月13日 (木)

[映] シティ・オブ・ゴッド

 同名のノンフィクション小説が原作らしい。2004年のアカデミー賞に4部門ノミネート。前述の、シティ・オブ・メンのプロデューサー、フェルナンド・メイレレスがシティ・オブ・メンの5年前に監督した作品だ。

 60年代後半のブラジル。リオデジャネイロ郊外に、公営住宅が新設され、貧しい人々が移り住む。「神の街」と名付けられたその街には、若者ギャングが好き勝手に暴れていた。ある日、彼らはモーテルを襲撃。だが、警察に見つかり、銃殺される。その時、1人身を隠していた少年リトル・ダイスは、数年後、リトル・ゼと改名し、神の街を乗っ取る事に成功。彼と親友のベネが街を仕切り、しばらくは平穏な日々が続いたが…

 リオ郊外でのギャングの抗争が、カメラマン志望の若者の目を通して描かれている。だが、ギャングといっても、まだ青年。少年までいる。彼らが何もわからぬまま銃を振り回して暴れている様は、本当に恐ろしい。

 次々に新しいリーダーが現れては倒されていく。そんな様子を、端から見ているブスカペは利口だ。そして、念願のカメラマンとしての仕事にもありつき、スクープ写真を撮るチャンスにも恵まれる。彼が成功する一方で、小学生くらいの少年達が、明日のギャング予備軍として銃を手に物騒な話をしているラストは、病んだブラジルの現実を見せてくれる。

 リトル・ダイス役で、シティ・オブ・メンのアセロラ役ダグラス・シルバ、ギャングに引きずりこまれた少年役でラランジーニャ役ダルラン・クーニャがそれぞれ出演している。

 残虐なシーンや、セックスシーンもあるので、R-15指定。

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2009年8月12日 (水)

[映] JUNO/ジュノ

 低予算ムービーながら、2008年アカデミー賞で4部門ノミネートされ、話題になった作品だ。(うち、脚本賞受賞)

 16歳の高校生ジュノは、友達のポーリーと興味本位でセックス。だが、そのたった一回のセックスで妊娠してしまった。すぐに中絶することを考えたジュノだったが、思い直し、出産を決意。養子に出そうと里親を探す。里親候補のカップルとも親しくなり、お腹もどんどん大きくなるが…

 10代の妊娠と言うストーリーはよくあるが、この映画の魅力は、ジュノを演じているエレン・ペイジによるところが大きいだろう。なんと言っても、ジュノは生意気な高校生だ。だが、鼻につく生意気さではなく、知識が豊富で弁が立ち、行動力があって、まるで小さな大人のよう。妊娠も、その行動力が招いた結果なのだろうが、彼女は1人でちゃんとその責任を取る。そんな気丈な彼女も、無事出産を終え、初めて泣く。自分のしたことの重みを、ここで初めて知る。

 周りのキャラクターもまた興味深い。まず、ジュノの相手役ポーリー(マイケル・セラ ブルース一家のジョージ・マイケル)。なんとも頼りない男の子だ。あまり自分の意見を言うタイプじゃないし、セックスだってジュノに言われてなんとなくしてしまった感じ。妊娠と聞いてどうして良いのかわからず、他の子とつき合ってしまったり。だが、まだ幼いと言うだけで、根はいい子だ。きっと今後もジュノといい関係を続けていくのだろう。
 里親候補のカップルは強烈。何が何でも子供が欲しいヴァネッサ(ジェニファー・ガーナー エイリアスのシドニー)は、全て自分でコントロールしたいタイプ。完璧にしないと気が済まない。それに対して、夫マーク(ジェイソン・ベイトマン ブルース一家のマイケル ジョージ・マイケルの父!)は、この計画に正直あまり乗り気ではない。子供を持つ準備ができてないと言っているが、子供が好きではないのかもしれないし、全て管理されているヴァネッサとの夫婦生活に不安を感じているのかもしれない。
 ジュノの両親も個性的。父マック(J.K.シモンズ OZのシリンガー)は軍人上がりの強面だが、彼女の事を深く愛する良き父だ。継母ブレン(アリソン・ジャニー ホワイト・ハウスのCJ)とは、多少ぎくしゃくしているようでもあるが、この妊娠出産騒動で、絆が深まったようでもある。なにより、気が強くなんでもはっきり言うタイプだが、ジュノを愛している。

 そんな人たちに囲まれ、ジュノが妊娠高校生生活を送り、出産する物語。どんな境遇でもあっけらかんと、いつも前向きにどんどん進んでいくジュノに好感が持てる。

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2009年8月 9日 (日)

[映] シティ・オブ・メン

 ブラジルのスラムに住む青年たちの話。シティ・オブ・ゴッドの監督がプロデュースということで、WOWOWで連続放送。

 リオ・デジェネイロのスラム、デッド・エンド・ヒル。この地で幼い頃から兄弟のように仲良くそだったもうすぐ18歳の青年アセロラとラランジーニャ。アセロラは、できちゃった結婚で2歳の息子もち。ラランジーニャは、父を知らずに育ち、父親探しを始める。ついに父親の所在をつかむが、スラムではギャングの仲間割れから抗争が起こり…

 スラムのギャングと言っても、20歳そこそこの若者だ。少年もいる。そんな彼らが銃やマシンガンを撃ちまくって殺し合う姿は、なんとも恐ろしい。そんな中で、アセロラとラランジーニャが見せる友情には救われる。

 いい若いもんが働きもせず銃を振り回して… と思ったが、あの立地条件(かなりアップダウンが激しく、家々をぬって走り回るには、急な階段を上り下りする必要あり)での抗争は、若者でなければできないなと言う気もした。丘の頂上は、確かに見晴らしも良く、お山の大将になった気分なのだろうが、あそこで走り回るには、やっぱり若さが必要。

 続けて放送されたシティ・オブ・ゴッドの方が先に作られたそうで、主演のアセロラ役、ラランジーニャ役の少年も出演しているそうなので、こちらも見てみたい。

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[映] 幸せになるための27のドレス

 ドレスにも結婚式にもあまり興味ないのだが、キャサリン・ハイグルが主演ということで、見てみることに。

 ベンチャー企業の社長秘書ジェーンは、友達の結婚式でブライドメイドをするのが大好き。ある日、一晩に2つの結婚式を掛け持ちしていて倒れ、たまたま取材に来ていた新聞記者ケビンと知り合う。ジェーンのブライドメイド人生を記事にして手柄をたて、結婚式取材から抜け出そうと考えたケビンは、ジェーンがこれまでに着た27のドレスを見せてもらううち、彼女に好感を持つように。
 一方、ジェーンは社長であるジョージに想いを告白する勇気を持てず、片思いを続けていた。ある日、妹のテスがジェーンの部屋に転がり込む。パーティでジョージに急接近したテスは、彼好みの女性に大変身して一気に婚約にまで持ち込む。あまりの事にショックを受けつつ、妹の結婚式準備をこなすジェーンだったが…

 まぁありがちなストーリーである。ブリジット・ジョーンズにちょっと似ている感じもする。だが、派手な妹に、目の前で憧れの彼をかっさらわれてしまう辺り同情してしまうし、友達のためにあそこまで尽くせるジェーンは本当に素敵な女性だとも思う。

 なんと言っても、ジェーンがケビンにこれまで着たドレスを着てみせるシーンは、なかなかいい。キャサリン・ハイグルならではの見せ場だろう。個人的には、ジェーンとケビンがバーで飲んでハメを外すシーンが好きだ。

 ジェーン役にキャサリン・ハイグル。あの容姿で、恋に臆病になる理由が全くわからないが、まあいいだろう。ジョージ役にエドワード・バーンズ。ケビン役にジェームズ・マースデン(アリー・マクビールのグレン・フォイ、X-MENのサイクロップス)。ジェーンの親友ケイシー役にジュディ・グリア(ブルース一家のキティ)。

 お決まりのパターンの、ありがちな映画。だが、キャサリン・ハイグルの魅力満載だ。

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2009年8月 6日 (木)

[ド] バイオニック・ウーマン

 70年代に流行ったドラマ、バイオニック・ジェミーの現代版と聞いて、見てみたいような、でも新しくなっただけだったら見なくてもいいような、少々複雑な心境になった。確かに当時は楽しみに見ていたし、リンゼイ・ワグナーにも憧れたが、当然今回は全くの別人が主演なわけで、迷った挙げ句、とりあえず#1だけ見てみようと思った。

 サンフランシスコに住むジェイミー・ソマーズ、24歳。反抗期の妹の面倒をみながら、バーテンダーの仕事をして暮らす彼女は、大学教授で外科医のウィルと交際中。不釣り合いを感じながらも、妊娠したことを告げると、プロポーズされた。だが直後、運転中の車が事故に巻き込まれ、ジェイミーは重体に。ウィルは、自分が所属するウルフ・クリーク・バイオ技術研究所に彼女を運び込み、両足、右腕、右耳、右目にバイオニック手術を施す。
 目覚めたジェイミーは、ウィルから事情を聞くが、突然の事に動揺。組織のボス、ジョナスは、ジェイミーを組織に入れようとするが、断固拒否するジェイミー。ウィルは、彼女を逃がし、元の生活に戻す。だが、ジェイミーの前に、謎の女サラ・コーバスが現れ…

 幸せの絶頂から、一転して不幸な境遇になってしまうジェイミー。だが、事故で失った両足や腕、耳、目は、バイオニック技術で見事に修復、パワーアップされ、生活に不自由はない。そのことをもっと喜ぶべきだと思うのだが、こんな体にしてとウィルに怒るジェイミー。この辺り、何にそんなに腹を立てているのか、ちょっと疑問。

 とはいえ、謎の女サラ・コーバスはなかなか面白い設定。バトルスター・ギャラクティカのスターバックこと、ケイティ・サッコフが熱演。ジェイミーよりも先にバイオニック技術を試された、いわば先輩。しかも両手両足ということなので、ジェイミーよりも強い? 兵士として作られた彼女、どうやら何かあったようで、この組織に復讐を企んでいる様子。この辺りが、物語を格段に面白くしている。

 ボスのジョナス役にミゲル・フェラー(ツイン・ピークスが懐かしい)、ルース役にサード・ウォッチのヨーカスことモリー・プライス。

 さらに、#1にはギャラクティカのチーフことアーロン・ダグラス、弁護士のランプキンことマーク・シェパードも出演。

 AXNもすごく力を入れているみたいだし、今後の展開がとっても楽しみなドラマなのだが、14話制作されたのみ、しかも1話は放送されなかったパイロット版。2007年に8話放送されただけらしく、AXNでもこの8話しか放送しないのか? そう思うと、ちょっと残念だ。

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2009年8月 3日 (月)

[映] おくりびと

 今年のアカデミー賞で話題になった日本の作品が、もうWOWOWに登場。3月くらいまでシネ・プレーゴで上映していたのに、早いもんだ。

 チェロ奏者の小林大悟は、やっと楽団に入団したものの、解散となってしまい失業。夢を諦め、故郷の山形へ、妻美香と共に戻ることに。そこで職探しを始めた大悟は、求人広告を見て小さな会社に就職。だがそこは、遺体を納棺する会社だった…

 大筋は、かなり話題になったので知っている人も多いだろう。夢やぶれた男が、旅行会社か何かと誤解して納棺の仕事に就く。はじめは戸惑うが、社長の仕事姿を見るうちに、この仕事に意義を見いだすと言う話だ。

 本人が、とまどいから、次第に仕事に慣れてきた頃、今度は周りからのバッシングに遭う。どうもマトモな仕事ではないと思われているらしい。旧友からは、蔑まれ、妻からは汚らわしいとまで言われる。それでも仕事を続ける大悟。そして、彼の仕事ぶりは、周りの見る目を変える。

 アメリカドラマの「シックス・フィート・アンダー」(葬儀屋のお話)と、どうしても比べてしまうのだが、アメリカでは未だ土葬も多いためか、葬儀屋の仕事も日本とは少々違うようだ。遺体の防腐処置(時には修復も)が重要な仕事になってくるらしい。地下の処置室で、まるで解剖台のような台の上に、素っ裸で乗せられた遺体に、フェデリコやデイヴィッドが修復や防腐処置をしていたシーンが印象的だった。そういうことも含めて葬儀屋の仕事な訳だが、日本の葬儀屋は葬儀を、納棺は納棺師がすると言うのを、今回初めて知った。棺に納めるための納棺の儀を、あんなにも厳粛な雰囲気の中で行うとは。

 しっとりとした映画だ。舞台が山形県というところも関係あるだろう。最後はなかなか感動的だ。

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