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2010年1月12日 (火)

[映] 1408号室

 スティーブン・キング原作「呪われた部屋」の映画化。キングのホラー以外の作品は、映画でも素晴らしい物が多い。それに対して、ホラーは映画化されるとどうも化け物が出て終わりと言うパターン、拍子抜けという物が多く、どんなもんかと思っていたが、ホラーの割にはなかなかいい仕上がりになっている。

 オカルト作家のマイク・エンズリンは、オカルト現象を全く信じておらず、心霊スポットを訪れてその嘘を暴く本を書いていた。ある日、彼の元に、「NYのドルフィンホテル、1408号室には入るな」とだけ書かれた絵はがきを受け取る。さっそく詳細を調べ上げ、支配人が止めるのもきかず、強引に宿泊したマイクは…

 自殺者の出た部屋とか、幽霊の出る部屋とか、日本でも良く聞く話である。そういうところを泊まり歩き、嘘を暴いて本にすると言うこの主人公、アメリカ版・大槻教授といった感じか。マイクは、オカルト現象を全く信じていない。そういう主人公が、実際に怖い目にあい… と言うのは、今までにもあったストーリーだと思うが、これがキングらしいところは、マイクが幼い娘を亡くしたばかりであると言うこと。不治の病である娘を助けられなかったと言う思いから、立ち直っていないと言う点だ。

 治療が無理ならば、残り少ない時間を少しでもラクに、そして家族や親しい人たちと共に過ごそうと考える人と、苦しくても生きる望みを賭けて戦うべきだと考える人がいる。どちらを選ぶも本人の自由だとは思うが、それが幼い子供である場合、本人の意思に関係なく、親の意向に左右されることになる。娘の気持ちをラクにしようと天国の話をする妻リリーに対し、娘を失いたくないマイクは、何か治療法があるはずだと戦うことを望む。娘が亡くなってからも、もっと何かできたはずだと自分を責め、妻を責める。

 心霊スポットに行きまくっていたのは、彼のそういう精神状態が関係しているように思う。だが、この部屋に泊まって彼は動揺する。なんとか正気を保とうと、オカルト現象に対する理由をあれこれ考えるが、娘が目の前に現れ、彼も認めざるを得ない。だがそこで、自分は何をすべきかを見極め、行動する。

 この部屋には、人の弱みをついて自殺に追い込んだり、殺させたり、ショック死させたりと言う力があるらしい。1408号室になんでそんな力があるのか、この部屋にどんな秘密があるのか、詳細はわからない。物が動くとか、幽霊が見えるとか、そんな生やさしいものではなく、ちょっとやりすぎな程の攻撃である。だが、マイクが部屋に立ち向かった(自分に立ち向かった)展開は、なかなか良かった気がする。このことで、彼自身立ち直ることができたのだろう。結末もいい。なにより、怪物がでてきて終わりと言う、いつもの展開でなかったのがいい。

 

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