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2010年3月27日 (土)

[映] ミルク

 去年のアカデミー賞授賞式以来、ずっと気になっていた作品。ゲイの活動家ハーヴェイ・ミルクの話だ。

 1972年、NYの金融マンだったハーヴェイ・ミルクは、年下のスコットと出会い恋に落ちる。2人は、サンフランシスコに移り、小さなカメラ店を開くことに。彼の人柄に惹かれた、ゲイたちが次々と集まり、カストロ地区として賑わうように。ミルクは、社会的弱者を守る活動を始め、市政執行委員に立候補。何度目かの挑戦で、ついに当選するのだが…

 まず、こういう人物がいたことを全く知らなかった。さらに、南部など田舎では未だにゲイに対して反感がもたれているが、都心部では、ゲイに寛容な社会だと思っていたアメリカに、こういう時代があったことを、初めて知った。

 ハーヴェイ・ミルクはなかなかチャーミングな人物だったようだ。そういう人物の周りには自然と人が集まる。たまたま彼がゲイであったこともあり、彼の周りにはゲイが集まるようになる。これまで居場所を見つけられなかった彼らが、ミルクの周りに居場所を見つける。自分が、自分らしくいられる場所があるというのは、とても重要なことである。

 彼の活動はこれで終わらない。ゲイだけでなく、全ての社会的弱者を守るためには、自分が市政執行委員になって、社会を変えなくてはと考える。安い給料でも社会を変えるために立候補したいと思うような、こういう人こそ、政治家になるべき人だと思う。

 彼と対照的なのは、ダン・ホワイトだ。ダンは、誰にでも好かれるタイプの好青年だったらしい。みんなに愛想良く、礼儀正しく、品行方正な男。理想的な男。完璧な男。そんな人生を歩んできた彼が、おそらくミルクのような人物に会って初めて挫折を味わったのだろう。その怒りの矛先は、ミルクと、彼を支援した市長に向けられた。なんとも悲惨な結末、そして彼の裁判は、納得のいかない結果となる。

 ミルクの役で、主演男優賞を受賞したショーン・ペン。さすがの演技だった。今までの彼のイメージとはかけ離れたゲイの役、どんなもんかと思っていたのだが、まさにハーヴェイ・ミルクになりきっていた。すばらしい。スコット役で、スパイダーマンのハリー・オズボーンこと、ジェームズ・フランコ。クリーヴ役で、スピードレイサーのエミール・ハーシュ。ダン・ホワイト役にジョッシュ・ブローリン。市長役に、エイリアスのジャック・ブリストウこと、ヴィクター・ガーバー。

 ミルク追悼のキャンドル行列のシーンは感動的だった。ショーン・ペンの演技も素晴らしかった。ただ、なぜアメリカ人がそこまでゲイに反感を持つのか(おそらく宗教的なものなのだろうが)、私には理解できない。

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