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2010年5月25日 (火)

[映] ダウト ~あるカトリック学校で~

 2009年のアカデミー賞で、主演女優(メリル・ストリープ)、助演男優(フィリップ・シーモア・ホフマン)、助演女優に2人(エイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィス)、そして脚色賞にノミネートされ、話題になっていた作品。結局受賞は逃したが、非常に気になっていた。さすがに役者がそろっている上に、脚本もすばらしく、見応えがあった。

 1960年代、ブロンクスにあるカトリック学校。厳格な校長、シスター・アロイシスは規則を重んじ、生徒達を日々厳しく指導していた。それに対し、フリン神父はより進歩的で、生徒から慕われていた。ある日、若きシスター・ジェイムズは、クラスの生徒ドナルドが授業中に神父に呼び出された後、神父がドナルドのロッカーに下着をこっそり戻すのを見てしまう。そして戻ってきたドナルドの様子がおかしかったことを不審に思う。その話を聞いた校長は、神父の性的虐待を疑い…

 まず、主要登場人物のキャラクター設定が見事だ。校長は、規則重視のいわば堅物。生徒にも厳しく指導するので、みんな校長を怖がっている。だが、年老いたシスターに対する気配りをしている辺り、心優しき女性でもある。
 彼女と対照的なのがフリン神父。生徒や信者からは人気があるようだが、もっとずっと緩い人である。シスターたちが質素な食事を慎ましく食べている時に、神父たちは酒飲んでタバコ吸って、やりたいようにやっている。
 若いシスター・ジェイムズは、フリン神父を慕っている。あこがれの存在である。校長は厳しすぎと思っている感じで、神父への疑惑を、否定して欲しいと考えている。だが神父は、はっきり「やっていない」とは言わない。
 そして、出演シーンはものすごく短いのに、ものすごく印象的な演技を見せてくれた、ドナルドの母役ヴィオラ・デイヴィス。母として、息子が性的虐待を受けているかもしれないと知っても、特に驚く様子はなく、彼に優しく接してくれるのならばそれでいいとさえ言う。そしてそれにはある理由があり、なるほど、母親としてはそう考えるだろうなと思えるのだ。

 結局、その時何があったのかは、最後まではっきりしない。およそ推測することはできるが、それは疑いでしかない。確証はないのだ。校長の行動は彼女なりの正義を通した感じだが、思ったようにはいかない。神父を黒とするならば、うまく逃げられた感じだ。なんともやるせない気持ち、モヤモヤ感が残るが、世の中そういうものかもしれない。

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