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2010年7月10日 (土)

[映] アザーマン もう一人の男

 どんなタイプの映画なのか全く知らずに見た。先日の「96時間」のリーアム・ニーソン主演だし、今度は失踪した妻を捜す夫の話だと思いこんで見ていたら、最後のオチにやられた。なるほど、確かに「妻を捜す話」なのかもしれない。

 人気の靴デザイナーであるリサと、IT企業を経営する夫ピーターは、円満の熟年夫婦だった。数ヶ月後、妻がいなくなった悲しみをなかなか受け入れられないピーター。リサのパソコンを覗いていて、パスワードのかけられたフォルダーを発見。中を見ると、そこには見知らぬ男との情事を写した写真が。さらに、その相手と思われる男からのメールを見つけたピーターは、男がミラノにいることを突き止め、近づくのだが…

 冒頭の夫婦の会話がなんとも意味深である。ディナーの席で、浮気を考えたことがあるかと夫に聞くリサ。突然の質問に、訳がわからないピーター。明らかに、聞いたリサの方に心当たりがある感じである。

 ミラノには頻繁に出張で出かけていたらしいリサ。特に何の疑いも持っていなかったピーター。パソコンの中の映像を見ても、リサの浮気が全く信じられず、相手の男に激しい怒りを感じる。相手の居場所を突き止め、近づく。どんなヤツなのか見てやりたい。そして、自分の正体を明かさずに話をする。復讐してやりたい衝動にかられる。抑えた演技ながら、この辺りの心の動きは、ものすごくよくわかる。

 愛する妻を奪った憎い男に、なんとか償わせたいと言う思いでいっぱいのピーターが、ある時からまるで悟りを開いたように、落ち着き、大人の対応を見せる。これ、明らかに自分の方が優位だと気づいた瞬間である。相手を哀れむ余裕。

 ピーター役にリーアム・ニーソン。妻リサ役にローラ・リニー。この人、本当に美しい。絶世の美女という感じではないのだが、なんとも色気があり、熟女の魅力満点の美しさがある。2人の男達が夢中になったのもよくわかる。そして浮気相手のレイフ役にアントニオ・バンデラス。こちらは、いろいろな手を使って、自分を実際よりもよく見せようと必死の男だ。一見、金のありそうな紳士なのだが、見てくれだけで中身の無い、チンケな男である。こんな男のどこに、リサは惚れたのだろうと思う。おそらくピーターもそう思っただろう。だがやがて気づく。全てに完璧な夫であったピーターに対して、しょうもない男レイフだが、時に優しい言葉をささやいてくれるロマンティストでもある。ほっとけないタイプなのだろう。

 男が、自分の知らなかった妻を捜し、妻を失った悲しみを乗り越える物語である。

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