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2011年3月 3日 (木)

[映] ヒアアフター

 受験の付き添いで東京へ行った。とにかく私に似て方向音痴、かつ「お上りさん」の上の子が心配で、二日とも朝一緒に出発し、学校の門の前までついて行った。上の子を置いた後、私は一日目は父の墓参り、そして二日目は、映画を見に行くことに。

 何しろ朝早く出てしまうので、早い時間にやっている映画館はないかと探した結果、新宿バルト9で9:00と言う映画を見つけた。ヒアアフター。ちょうど見たかったし。とはいえ、上の子を見送るのが8:30ごろ。ちょっとギリギリな感じなので、走った。すごく久しぶりに走った。エスカレーターも駆け上がった。新宿三丁目の駅を出たら目の前。なんてわかりやすい! だけどチケット売り場は9F、上映するのは13F… ゼーゼーハーハーしながら座席へ。何やってんだ私は。

 恋人と共に東南アジアでのバカンスを楽んでいたパリのジャーナリスト、マリーは、突然の津波に飲み込まれ、生死をさまよう。一命を取り留め、職場復帰も果たすが、その時に見た不思議なビジョンに悩まされ続ける。仕事を休職し、自身の体験を本に書き上げたマリー。ブックフェアで作品を朗読するため、ロンドンへ。
 サンフランシスコで霊能者として生活していたジョージは、死者との対話に疲れ果て、今では素性を隠して工場で働いていた。料理学校で知り合った女性と親しくなるが、彼の能力のせいで去ってしまう。再び霊能者として仕事をすることを兄から勧められるが、何もかも投げ出して、ロンドンにある、大好きなディケンズの博物館へ。
 ロンドンで母と共に暮らす双子の兄弟ジェイスンとマーカス。何事にも積極的な兄ジェイスンに対し、いつも兄を頼りにしているマーカス。二人は、ドラッグ中毒の母親を支えながら暮らしていたが、ある日、兄ジェイスンが事故で亡くなってしまう。さらに、母親もリハビリ施設に入るため、里親に預けられることになったマーカスは、兄との対話を求め、霊能者を捜し始める。そしてウェブサイトで偶然ジョージの存在を知り…

 別々の場所に住むこの3人が、ロンドンのブックフェアで出逢う。彼ら一人一人のプロフィールがかなり丁寧に描かれ、特にロンドンのマーカスのくだりはとても切ない。いつも頼りにしていた兄を突然失った悲しみは計り知れないし、もう一度話したいと思う気持ちはよくわかる。マリーにしても、臨死体験をして、この気持ちわかってほしいのに誰もわかってくれないと言う孤独感が伝わってくる。そして、霊能者としての能力を呪いつつ、人とどう接したらよいのかに悩むジョージ。

 この3人が、どこかで出逢って、何かが起こるんだろうと言う予測はつくのだが、出逢うまでがとにかく長い。長いのだが、出逢って何かが劇的に変わるわけでもなく、出逢って終わり。マーカスは、ジェイスンと話すことができ、踏ん切りがついたのかも知れないが、ジョージとマリーに関しては、これから何が起こるのかと言う意味では全くの未知数。ただ、やっとお互いを分かり合える存在に出逢えたんだろうと言う幸福感だけは伝わってくる。

 今までのクリント・イーストウッド監督作品とはかなり違う。映画全体を通して、深い悲しみ、切なさが描かれ、最後の最後に、明るい「兆し」だけが見える。何かが起こるわけでもなく、何かがわかるわけでもなく、結局見終わった後に、なんだったんだろうと言う不思議な余韻のみが残る。なんとも形容しがたい作品だ。

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