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2011年6月15日 (水)

[映] レクイエム

 テロ事件の加害者と、被害者が対面すると言う、ただそれだけの内容だが、2人の様子を実に緻密に描いた作品。

 1975年北アイルランド。日常的に爆弾テロや殺人事件が起こるこの地で育った16歳のアリスターは、敵対組織への報復として、ジムという青年の殺害を命じられる。仲間3人と共に盗んだ車で現場へ行ったアリスターは、家の外から発砲し、ジムを殺害。だが、たまたまジムの弟ジョーがそれを目撃してた…
 30数年後。テレビ番組の企画で、対面することになったアリスターとジョーだったが…

 人を殺すと言うことが、周りにどんな影響を与えるかと言うことを描いた作品だ。アリスターが犯行に及んだのは、ある意味当然の成り行きだったように思う。周りではテロによる殺人事件が多発する地域で生まれ育ち、「死」や「殺人」が日常的になっていたアリスター。敵を殺すことは「善」であると信じ込まされ、何の疑問も持たなかったのだろう。むしろ、そうすることで、名をあげるとさえ考えており、チャンスとさえ思っていたようである。

 だが、30数年後に自信をふりかえるアリスターの表情は暗い。服役し、罪は償ったものの、心の傷は癒えない。人の人生を変えてしまったと言う深い罪の意識。自らの体験を人前で語り、同じような罪を犯した人々の心の傷を癒すことで生計を立てているようで、成功しているように見える彼だったが、彼の心の傷を癒してくれる人はいない。

 一方、兄を目の前で殺されたジョーは、この対面に対してかなり複雑な思いを持っている様子。彼は、その時、何もできなかったことで、母親から責められ続けたらしい。兄を殺されたことで、彼の人生も一変してしまった。犯罪を犯しておいて、被害者の自分よりもいい暮らしをしているなんて許せない。兄を殺した男を責めたい。復讐したい。当然の思いである。

 だが、ジョーには家族がいる。裕福とは言えないが、幸せな家庭があり、自分を支えてくれる家族がいると言う意味では、ジョーの方が恵まれているのかもしれない。

 アリスター役にリーアム・ニーソン。ジョー役に「ジキル」でお馴染み、ジェームズ・ネスビット。

 殺す方も殺される方も、人生が変わる。報復は憎しみ以外何も生み出さない。テロで問題は解決しないのだ。

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コメント

セレンディピティさん
かなり重いテーマだし、ただひたすら2人の様子を描くと言う作品なので、好き嫌いがわかれる作品だとは思いますが、見応えありました。リーアム・ニーソンファンなら見て損はないです(^o^)。

投稿: マイキー | 2011年6月19日 (日) 11:42

この作品の存在を知りませんでしたが、お話をうかがって絶対見ようと思いました。リーアム・ニーソン、大好きなのでとっても楽しみです。

そういえば、先日「タイタンの戦い」を見ました。
ああいうファンタジー系はどちらかというと苦手ですが、まあ、おもしろかったです。なんとなく続編ができそうなラストでしたね。
最近ちょっと注目しているニコラス・ホルト君が、戦士のメンバーで出ていてうれしかったです。

投稿: セレンディピティ | 2011年6月16日 (木) 01:36

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