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2011年8月19日 (金)

[映] モールス

 見たいなぁと思ってはいたが、シネプレーゴでは上映しない。たまたま、帰省した際、歌舞伎町に唯一残った映画館で上映しているとわかり… 久しぶりに入る、昔ながらの映画館。最近はシネコンばかりだったので、なんだかちょっとわくわく。来ているメンツを見ると、映画通と思われる人たちばかり。入場まで並んで待ち、開場と共にみな思い思いの席を取る。席もほぼ埋まる。ちょうど昼過ぎだったので、昼飯を食べる人々。私も、持参したおにぎりで腹ごしらえ… いいねぇ、この雰囲気。シートは思いの外ゆったりで、座り心地抜群。

 1983年冬。雪に閉ざされた山道を、パトカーに先導された救急車が疾走。中には薬品で顔が焼けただれた男性が。病院に運ばれたこの男性の身元は不明。しかも、刑事が目を離したすきに病室の窓から転落死してしまう。
 事件の少し前、この田舎町に住む12歳の少年オーエンは、隣に同じ年頃の少女と父親が越してくるのを目撃。雪積もる中、裸足で歩くこの不思議な少女アビーと親しくなり、壁越しにモールス信号でやりとりをするように。同じ頃、町では殺人事件が起きていた…

 この親子が殺人事件に何か関係があるであろうこと、そしてこの少女が何者なのかは、割とすぐにわかる。あぁ、そっち系のお話ねと、ちょっと落胆するのだが、この物語の見所は、そこではない。と私は思う。

 この少年、オーエンは典型的ないじめられっこである。見るからにひ弱であり、思春期の男の子からしてみれば、格好のターゲットである。そして、彼にはそれを相談する友達がいない。母親も情緒不安定気味で、助けになりそうにない。離婚調停中らしい父親は、どうやら息子には無関心のようだ。そんな孤独な少年オーエンが、心から信頼できる友達を見つける。いや、彼女というべきか。彼女に励まされ、彼女に癒される。彼女の正体を知ってもなお、彼女を愛さずにはいられない。

 オーエン役にコディ・スミット・マクフィー。アビー役にクロエ・グレース・モレッツ。本当に可愛らしく、一見清らかなこの少女が変貌する様は怖いと言うか、格好いいと言うか。アビーの父(実際には父ではなかったと言うオチがまたいいね)役にリチャード・ジェンキンス。いじめっ子ケニー役にディラン・ミネット。いじめっ子には毅然と接するべし。でも、いじめっ子がいじめるのにも理由があるらしい。

 結末には納得できる気もするが、母の立場としては、心配もある。なにより、情緒不安定の母は今後どうなってしまうのか。この作品、どうやら、スウェーデン映画のリメイクらしい。元作品も気になる。

 さて、久しぶりの、昔ながらの映画館であるが、エンドロール始まっても席を立つ人が少なくてめっちゃ感動。途中で出る人は決まって端の方に座っていて、こそっと出ていくから気にならない。さすが映画通。劇場を出ると、もう次の回を待つ人々が並んで待っていた。

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コメント

セレンディピティさん
ストーリー展開はどうですか? 同じ感じですかねぇ? 「ぼくのエリ」という作品なんですね。なるほど。

邦題の「モールス」というのが、いいのか悪いのか、ちょっと判断に迷いました。ラストシーンでは確かに象徴的に使われるので、いいような気もしますが、このタイトルからは全く別のものを想像してしまったので、どうかなぁと。

投稿: マイキー | 2011年8月21日 (日) 12:07

同じ原作のスウェーデン映画「ぼくのエリ」の方を先日見ました。
独特のひんやり感、不思議な雰囲気があって印象的な作品でした。
ハリウッド版は焼けただれた男が救急車で運ばれるシーンから始まるのですね。なるほど…。
こちらも気になります。DVDになってからになるかもしれませんが、是非見たいです。

投稿: セレンディピティ | 2011年8月21日 (日) 11:10

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