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2011年8月 1日 (月)

[映] クレイジー・ハート

 去年のアカデミー賞で話題となった作品。主演男優賞、歌曲賞を受賞。なるほどと言う感じだ。

 かつては一世を風靡したカントリーシンガー、バッド・ブレイク。57歳となった彼は、4度の結婚生活はいずれも破綻。ここ何年も新曲を出しておらず、ドサ周りで日銭を稼ぐ日々。しかも、アルコールにおぼれ、酔ってステージに上がることも。それとは対称的に、バッドの弟子だったトミー・スウィートは今や売れっ子カントリーシンガー。彼のコンサートに、前座で出演と言う、屈辱的なことまで渋々引き受けるバッド。そんなある日、地方紙の記者からインタビューの依頼を受ける。やってきたのは30代の女性記者ジーン。彼女と何度か会ううちに、次第に惹かれあい…

 バッドは、典型的な「落ちぶれた元スター」である。こういう人、たくさんいそうだ。かつてはかなり売れたらしく、地方には彼のファンが未だにいる。地方巡業では、それなりにもてはやされたりもする。だが、単独車での移動生活なので、体力的にはきつそうだし、いつも昔の曲を歌うだけなので新鮮みもない。ステージが終われば、そこらの女性をひっかけて一夜を共にし、酒をあおって眠る。酒のせいなのか、何事にもだらしなくなっているし、彼の生活は完全に輝きを失っている。創作意欲を失っているのだ。

 そんなある日、ジーンと出逢う。今まで、どうでもいいと思っていたことに、急に気を使い始める。ちょっとは身なりにも気を遣うようになり、部屋が汚いことがちょっと気になる。途端に、創作意欲がわく。彼に必要なのはこれだったのか?

 だが、そう簡単に酒はやめられない。それがアル中ってもんだ。ジーンの登場、そして彼女の息子との関わりで、生きる意味を見いだしたバッドだったが、アルコールで失敗する。それも、自分の身が危険になっても懲りないのだが、ジーンの息子を危険にさらしてしまった時、やっと我に返る。でもちょっと遅かった…

 と言うわけで、単純に「落ちぶれたカントリーシンガーが女性と出会って立ち直って復帰」という結末にならないところがいい。世の中、そううまくはいかないものだ。

 バッド役にジェフ・ブリッジス。まさに大人の色気とでも言うのだろうか、あんな体型になってもまたセクシーである。そしてなんと言っても、彼の歌が素晴らしい。カントリーにマッチした歌声。さらに、「ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」でピアノがうまいのは知っていたが、ギターもうまいとは!!
 ジーン役にマギー・ギレンホール。絶世の美女とは言い難いが、なんとも魅力的な笑顔の持ち主である。これまた大人の色気? バッドに強く惹かれつつ、母として、息子のためには一緒にいてはいけない人だと感じ、葛藤する。
 トミー・スウィート役にコリン・ファレル。彼もまた素敵な歌声を披露してくれる。かつての恩師に対して、生意気な態度を取る若手スターかと思いきや、バッドを気遣っているあたり、彼らの関係が良好なものだったのだろうと想像できる。
 バーのオーナー役にロバート・デュバル。アルコール依存のバッドに手をさしのべる友人だ。こういう周りの支えがあってこそのスターなのだろう。

 バッドがなぜ曲を書けなくなってしまっていたのかはわからない。売れっ子スターで家庭を顧みない日々が続き、家庭が破綻、人生の輝きを失っていったのだろう。アルコール依存は体だけでなく心もむしばむ。彼が失ったものは大きいが、明るい兆しも見える結末がうれしい。

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