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2012年4月 7日 (土)

[映] チェイシング/追跡

 これ、明らかに邦題は勘違いさせる内容だと思う。犯人を追う警官の物語みたいなタイトルだが、(実際、警官は元犯人をずっと追跡してはいるが) この作品の主題はそこではない。

Tenderness
 多感な16歳の少女ローリは、母の恋人や、CDショップの店員など周りからの性的嫌がらせに気づかぬふりを続ける毎日。ある日、両親を殺した少年エリックが、少年院から出所することをニュースで知る。2年前、犯行の直前、エリックと偶然会っていたローリは、彼に興味を持ち続けていた。彼に会うため、単身彼の家へ行くローリ。
 一方、出所したエリックは、叔母の家へ。少年院で知り合った少女マリアに会うため、車で出かけるが、その車にローリが乗り込んでいた…

 エリックとローリの2人旅と言うほのぼの系なのかと思いきや、こちらも少々怖い話である。

 まず、エリックはサイコパスである。彼の家庭事情とか、過去に何が起こったのかなど、詳しいことは全くわからない。ただわかっているのは、両親を殺した罪で少年院に2年入っていたが、当時少年だったこと、さらに抗うつ剤(??)を服用していたことから薬の影響であると認定され、出所が認められたと言うこと、前科も消えると言うこと。そして、彼を逮捕した刑事クリストフオロは、それが単に薬の影響ではないことを知っている。彼がまた犯行を起こすであろう事にも気づいている。だからこそ、出所したエリックを常に追跡し、監視する。

 一方、ローリもまた複雑な少女である。母子家庭であるが、母は新しい恋人と結婚を考えている。ローリは、特別美しいワケでもなく、ボーイフレンドはいない。おそらくは友達もいない。万引きを見逃してもらうために、CDショップの店員に胸を見せる。そして帰宅すれば、母の恋人がシャワー中、覗きにやってくる。そのことに気づかぬふりをしてやり過ごす。だが、母がその男と結婚すると知る。ちょうどその頃、エリックの出所を知る。

 ローリが何を考えてエリックに会いに行ったのかはよくわからない。だが、犯行直前のエリックに会っていただけではないことが、次第にわかってくる。ローリは、もっと重大なことを目撃している。

 ローリ役にソフィー・トラウブ。エリック役にジョン・フォスター。彼を追う刑事役にラッセル・クロウ。エリックの叔母役にローラ・ダーン。マリア役にアレクシス・ジーナ(インヴェイジョンのキラ)。

 ただ単に、囚人に憧れるアホな少女が、一度会ったことのある、自分にとって身近な殺人犯である青年に憧れて会いに行ってしまったのかと、初めは思う。だが、見ているうちに、彼女がもっと深く悩み、傷ついていること、そしてエリックの本質を見抜いていることに気づく。そのことを知りつつ、あえてエリックに近づくローリ。彼女は、この結末を予想して(期待して)エリックに近づいたのかもしれないと思う。

 意外な結末のように思えたが、実は深いのかもしれない。

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