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2012年5月 5日 (土)

[映] ザ・ファイター

 実在のボクサーのボクシング人生を描いた作品。個性的な俳優陣が熱演。

The_fighter
 マサチューセッツ州ローウェル。この地で生まれ育ったディッキーは、かつてシュガー・レイからダウンを奪ったことを自慢にしている元ボクサー。だが今は麻薬におぼれ、怠惰な生活を送る日々。同じくボクサーとなった弟ミッキーは、兄をトレーナー、母をマネージャーに活動を続けるものの、2人に振り回され、なかなか芽が出ない毎日。だが、バーで知り合った恋人シャーリーンに支えられ、地道に活動を続けるうち、実力を発揮し始めるが…

 実に見応えのある作品だ。なんと言っても、登場人物がみなとても個性的で、キャラクター設定がしっかりしている。

 まずクリスチャン・ベール演ずるディッキー。元ボクサーで、あのシュガー・レイからダウンを奪ったことを自慢にしているが、実は滑っただけだと言う人もいると言うことは、おそらくはまぐれであり、大したことはないのだろう。だが、寂れた小さな街では、ちょっとした有名人である。今はろくに仕事もせず、麻薬におぼれ、怠惰な生活をしている。弟に対して、兄としていろいろ指導している気になっているが、金のために弟に無理させたり、肝心な時に逃げ出したりと、かなり無責任な人間のようである。

 マーク・ウォールバーグ演ずるミッキーは、ディッキーとは対称的に真面目な男だ。兄に言われたとおりに練習し、母に言われたとおりに対戦する。多少の不満はあるようだが、事を荒立てたくないのだろうか、言わない。だがあるとき、理不尽な試合をセッティングされ、ついにキレる。自分の実力を発揮できないのは、家族が原因であると気づく。

 恋人シャーリーンの登場で、家族に振り回されていたことに気づき、自分を取り戻したミッキーだったが、やはり家族の協力なしにはうまくいかないと言うことにも気づく。この辺り、矛盾しているようではあるが、家族ってそういうものかもしれないとも思う。実に素晴らしい脚本だと思う。

 母親役にメリッサ・レオ。きっつい感じの「ごうつくババァ」を熱演。シャーリーン役にエイミー・アダムス。いつもの彼女とは全く違い、ちょっとだらしない感じの女性を熱演。もしかしてこの役のために太ったのかなぁ?

 クリスチャン・ベールはこの役のために体重をかなり落としている。撮影が始まったのは2009年らしいのだが、マーク・ウォールバーグはこの役のために2005年からトレーニングしていたらしい。ディッキーは、ミッキーより7つ年上ということなのだが、実際にはクリスチャン・ベールの方が3歳若い。さらに、メリッサ・レオはマーク・ウォールバーグと11歳しか違わないと言うのだから、やっぱり役者ってすごい。クリスチャン・ベールとメリッサ・レオは、この役で2011年アカデミー賞助演男優賞、助演女優賞をそれぞれ受賞しているが、納得だ。

 自分のドキュメンタリーを撮影してくれると喜んでいたディッキー。それを見ることができたのは刑務所に服役中だった上に、自分が復帰する物語でもなんでもなく、麻薬依存の怖さを描くドキュメンタリーだったと知って愕然とする。だが、このことをきっかけに、彼自身もトレーニングに励み、立ち直ることができたように思う。この2人の男たちや、マネージメントであくせくする母親とは対照的な、彼らの稼いだ金にたかっている上に文句だけはしっかり言う姉たち(妹だったか?)の描写も面白い。ボクシングって、一番苦労している本人以外の周りの人たちが搾取してしまうことが多いと思うのだが、それをうまく描いているように思う。

 個性的な家族、迫力のボクシングシーン、感動の展開、全て見応え充分だ。最後、実際の2人の姿が映っていたが、平和そうでホッとした。兄弟家族、仲良く暮らして欲しい。

 

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コメント

セレンディピティさん
純粋なスポ根ものとは違うし、正当派の感動作とも違うけれど、実話が元になっているだけあって、いいことも悪いこともきちんと描かれていて良かったですよね。

「ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド」は、ドキュメンタリーかと思うようなリアルさがありました。当時、劇場未公開だったようで、最近になってDVDが出た?? ちょっと掘り出し物な感じです。冒頭のチューニングシーンが格好いい。

投稿: マイキー | 2012年5月 6日 (日) 11:44

こんばんは♪
コメディな展開ながらほろりとさせるところもあって
すてきな作品でしたね。
脚色はしているのでしょうが、実話をもとにしている
というのにもびっくり。
クリスチャン・ベイルのなりきりぶりに拍手です。

↓ アース・ウィンド&ファイア、大好きでした!
実は自分で初めて買ったLPがEW&Fなんです。懐かしい。
ご紹介くださった映画、是非見てみますね。

投稿: セレンディピティ | 2012年5月 6日 (日) 00:39

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