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2012年6月20日 (水)

[映] わたしを離さないで

 青春ものなのかと思って見たら、ずいぶんと重い作品だった。「アイランド」とか、「私の中のあなた」とかに通じる物語である。

Never_let_me_go
 英国ののどかな田園地帯にある寄宿学校。外界から隔絶されたこの学校ヘールシャムでは、生徒達は厳重に管理されていた。そしてそれには理由があった…
 ここに暮らすキャシーは、いつも1人仲間はずれにされているトミーに好意を持つ。恋をはぐくむ2人だったが、ある日キャシーの親友ルースが積極的にトミーに近づき、2人はつき合うように。共に暮らして成長した3人だったが、トミーとルースの関係に耐えきれず、1人介護人としての人生を歩む決意をするキャシー。

 この寄宿学校、ただの学校ではない。全員、臓器提供のために生かされている子供達であり、その運命から逃れることはできないのだ。「アイランド」と大きく違うのは、彼らはそれをあらかじめ知らされており、その運命を受け入れていると言うこと。「アイランド」がアメリカ的であるのに対し、こちらはイギリス的、日本的であるように思える。

 キャシー役にキャリー・マリガン。トミーへの思いを心に秘めつつ、1人介護人としての未知を選ぶ。介護人になったからと言って、臓器提供者としての運命を避けることはできない。働かなくても暮らせるのに、あえて同じ運命の人たちの最後を看取ると言う、つらい選択をするのだが、そうすることで、自分が今生きていることを実感していたのだろう。
 トミー役にアンドリュー・ガーフィールド。「ソーシャル・ネットワーク」のサヴェリン役で一躍人気者になった感があるが、ここでも少し気弱な青年を好演。ルースに迫られ、キャシーへの思いを表に出せないトミー。やっと念願叶うが… と言う悲しい役柄だ。
 ルース役にキーラ・ナイトレー。校長役にシャーロット・ランプリング。新任教師役でサリー・ホーキンス。「ハッピー・ゴー・ラッキー」ではふざけた教師役だったが、こちらでは真相を語ってしまったが故にクビになってしまう教師役だ。

 本当に愛し合っている恋人同士は、臓器提供を数年猶予してもらえると言う噂が飛び交う。それを真に受け、キャシーとの人生を束の間夢見るトミー。

 なんとも切ない物語だし、「アイランド」のような救いもない。提供する側もされる側も、同じ人間なのに、どこが違うの?と言うキャシーの問いかけがむなしく残る。それは、みんな限りある命というのは同じであり、それが長いか短いかの違いだけで、私たちも彼らと同じと言っているようにも思える。

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