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2012年12月19日 (水)

[映] ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

 早い、今年のアカデミー賞にノミネートされていた作品、もうWOWOWで放送。なんてタイトルだろうと思ったのだが、原題の直訳だ。

Extremely_loud_and_incredibly_close
 人との関わり方に少々問題のある少年オスカー。父トーマスの考えた調査探検ゲームが大好きで、父と共に地図を広げては謎解きを楽しんでいた。だが、9.11で父を突然失ってしまい、そのことがなかなか受け入れられずにいた。1年後、やっと父の部屋へ入ることができたオスカーは、クローゼットで偶然、封筒に入った鍵を見つける。この鍵を使って開けた先に、何か答えがあると信じたオスカーは、封筒にあった「ブラック」と言う言葉を手がかりに、鍵穴を探し始めるが…

 とっても悲しいお話なのだが、感動的だ。

 オスカーは、普通の少年とは少々違うようだ。頭はすごくいい。10歳とは思えない。だが、人と話すのがちょっと苦手で、パパッ子だ。トーマスは、そんな彼のために、調査探検ゲームを考える。オスカーが自分で考え、いろいろな人に話しかけ、情報収集するよう仕向ける。そのゲームを心底楽しみ、父親との時間をとても大切に思っていたオスカー。そんな父が、ある日突然いなくなってしまう。

 オスカーには、とても受け入れられない現実である。何も悪いことしていないのに、病気でもないのに、突然いなくなる。遺体も見つからないまま葬儀を行う母に、反感を持つ。そんな時に見つけた鍵。父の考えた調査探検ゲームに違いないと信じ込む。信じて突き進むことで、父の死をほんの少しだけ忘れていることができるのか。父からの「解答」があると信じ込む。

 オスカー役にトーマス・ホーン。彼の演技がとにかく素晴らしい。どこか不安げな大きなブルーの瞳。どこまでも素直な表情。トーマス役にトム・ハンクス。母リンダ役にサンドラ・ブロック。いつもの芸風、一人でやたらとしゃべる「ウザい女」ではなく、夫を失った哀しみに耐えつつも、息子をそっと陰から見て支える良き母である。祖母の間借り人役でマックス・フォン・シドー。話せないと言う設定なので、セリフはなし、全て筆談と、手のひらに書いた「YES」「NO」で表現するのだが、彼とオスカーとのシーンがまたいい。マンションのドアマン役にジョン・グッドマン。オスカーが最初に探し当てた「ブラック」さん役にヴィオラ・デイヴィス。

 オスカーは鍵穴を見つけるのだが、思っていたような答えは得られない。でも、その過程でいろいろな人に会い、いろいろな話を聞き、励まし、励まされる。間借り人との関係にも気づく。そして何より、自分を理解してくれないと思っていた母が、実は自分のことをすごくよく見ていてくれたと気づく。

 911の悲劇から立ち直る話だ。

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コメント

セレンディピティさん
本当に彼の演技は素晴らしかったですね。ほぼ素人ということですが、彼の瞳に吸い込まれそうでした。長かったし、重いテーマでしたが、最後まで釘付け。感動的でしたね。

投稿: マイキー | 2012年12月22日 (土) 15:27

こんにちは。
なかなかすてきな作品でしたね。
オスカーを演じたトーマス・ホーン君の演技が
すばらしくて圧倒されました。
一筋縄ではいかない繊細な性格と膨大なセリフ。
アスペルガー症候群の疑いあり…という役でしたが
ソーシャルネットワークのマーク・ザッカーバーグを
思い出しました。

投稿: セレンディピティ | 2012年12月21日 (金) 13:40

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