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2015年5月18日 (月)

[映] 戦場のおくりびと

 イラク戦争で戦死した兵士の遺体を遺族へ届ける海兵隊員の姿を描いた、HBO製作のTVムービー。地味な作品ながら、遺族の悲しみはもちろん、道中に出会った人々がみな亡くなった兵士に敬意を抱く姿が感動的。日本の作品「おくりびと」とはまた違ったメッセージのある作品だ。原題は"Taking Chance"。実話に基づいた話らしい。

 

Taking_chance

 

 


 砂漠の嵐作戦に参加した海兵隊員マイケル・ストロボル中佐。家族と再会し、内勤を希望し、認められる。同郷の兵士チャンス・フェルプスが戦死したことを知った彼は、遺体を故郷まで移送する任務に志願する。丁寧に清められた遺体に付き添い、チャンスの両親が住むワイオミング州へ…

 

 マイケル役にケヴィン・ベーコン。妻役にペイジ・ターコー。娘役にルビー・ジェアリンズ(ナース・ジャッキーのグレイス)。ずいぶんと幼いので、調べたら2009年の作品。軍人役でジュリー・ホワイト(ナース・ジャッキーのアントワネット)。チャンスの母親役にアン・ダウド(The Leftoversのパティ)。チャンスと同じ部隊にいた兵士役にエンヴェア・ジョカイ(ドールハウスのヴィクターまたはアンソニー)。同郷の知人役にマシュー・モリソン(Gleeのシュー先生)。

 

 マイケルは海兵隊の中佐。かつては砂漠の嵐作戦で戦った身だが、家族との生活を大切にしたいと考え、内勤を希望し、認められる。だが、仲間からの風当たりは強く、自分の選択を少々悔いているようでもある。そんな彼が、戦死者の中に同郷の一等兵がいることを知り、遺体を移送する任務を志願する。見ず知らずの一等兵の移送を、中佐がすることは珍しいのだろう。だが、彼はどうしてもやりたかった。今の自分ができるせめてものことだと考えたのだろう。

 

 ストーリーは、遺体を両親の元へ届け、葬儀が行われると言うだけで、道中が淡々と描かれているだけなのだが、そこで会うほぼ全ての人々が、戦死した兵士の遺体に敬意を払うシーンが描かれ、感動的だ。

 

 チャンスとは特別面識もなく、淡々と任務をこなしていたマイケル。それでも決して手を抜くことは無く、飛行機の乗り換え時にも、ホテルではなく遺体を安置する倉庫に寝袋で泊り込む徹底ぶり。彼の性格がわかるシーンだ。彼がそこまでするのは、内勤になったことにどこか後ろめたい気持ちがあったからだろう。

 

 実際、チャンスの故郷で、退役軍人会の人たちと話すシーンで、そう語る。だが、退役軍人である老人から「家族と一緒に過ごしたいと思って何が悪い!」と諭される。軍人だからって、家族を大切に思うのは当然だし、悪いことではないはずだ。

 

 道中、淡々と任務をこなしていたマイケルだが、葬議場に安置後、初めてチャンスの遺体を見て、涙ぐむ。遺体は決してカメラに映らないが、その無残な姿は容易に想像できる。映画の最後に映る、子供の頃のチャンス本人の無邪気な映像には胸が痛む。

 

 「静かなる反戦映画」と書かれていたが、なるほど確かに地味ながら、心を揺さぶられる作品だ。

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