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2016年6月24日 (金)

[映] めぐり逢わせのお弁当

 夫に作ったお弁当が、別人に配達されたことから文通が始まり、お互いの悩みを相談する仲に… というインドの作品。インドのお弁当事情、通勤事情も興味深い。原題は"Dabba"。あの独特の積み重ね式お弁当箱の事らしい。

Dabba
 インド、ムンバイ。オフィス街で働く人たちの元へ、弁当配達人は、今日も各家庭から集めた弁当を配達。主婦イラも、夫のためにせっせと作った弁当を配達人に託す。夕方、戻ってきた弁当箱を見てびっくり。完食している上にいつになく綺麗になっている弁当箱。帰宅した夫に確認すると、どうやら弁当は別人に配達されたらしいことがわかる。だが、あまりに綺麗に食べてくれたことに感激したイラは、翌日も誤配されると考え、弁当に手紙を忍ばせる…

 イラ役にニムラト・カウル。弁当を受け取った男サージャン役にイルファン・カーン。サージャンの後任シャイク役にナワーズッディーン・シッディーキー。

 素敵なお話だと思う。家族に無関心な夫に不満を募らせるイラと、妻を亡くして単身となり、早期退職を待つのみの寂しい男サージャンの、文通がメインだ。劇的な出来事があるわけでもなんでもないが、インドの中流階級の日常と共に、年の離れた男女の、恋に発展しそうでしないやりとり。

 どちらの気持ちもわかる。家事に追われるだけの日々で、全く会話がなくなってしまった夫との関係を疑問に思うイラは、美味しいものを美味しいと素直に言い、相手を思いやる気持ちのある年上の男性サージャンに思いを寄せる。一方、妻に先立たれ、寂しい一人暮らしのサージャンは、美味しい料理を作ってくれるイラを恋人のように思う。途中まではそんなほほえましいやりとりが続く。

 インドのお弁当事情がとても興味深い。「スタンリーのお弁当箱」にも出てきたが、何段にも重なった、金属製のお弁当箱には、何種類もの手の込んだおかずが入っている。しかもほぼできたてなので温かい。お昼休みになる前からお弁当を楽しみにして、匂いをかいでしまうサージャンの気持ち、すごくわかる。各家庭で作られたお弁当を、運ぶ仕事をする弁当配達人なる人たちがいるのも面白い。家から持参すればいいだけなのに、やっぱり温かくないとダメってことなのか。わざわざ運んでくれる人がいるなんてね。しかも、ほぼ間違いなく届けられるってすごい。サージャンのような、作ってくれる人のいない人のために、弁当屋もあるらしい。サージャンがイラのお弁当を食べていたってことは、イラの夫は、弁当屋さんの弁当を食べてたのかな?

 通勤電車事情も興味深い。ラッシュは東京といい勝負だと思うが、帰りの電車の中で野菜を刻むって…

 お墓事情もちょっとでてきた。てっきり火葬なんだとばかり思っていたが、土葬らしい。そりゃ、あの人口だもの、場所だってなくなるよね…

 いろいろな事を考えつつ鑑賞。定番の踊りは出てこなかったが、心に残る作品だ。

 

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